6月15日(日)は父の日ですが、現在コロラドでは「Farther’s Day Sale」一色の特別セールを各店で展開しています。 家族からの「父の日」の贈り物としてはネクタイや工具類などが昔から定番商品となっていますが、今年はフラットパネルHDTVセットや乗用車などの高額商品までもがその特別セールの対象として盛んに宣伝広告を行っています。
また、この6月からの時期はアメリカの人たちにはバケーションシーズンとなっていて、日本の様に春のゴールデンウイークやお盆休みといった全国一斉と言う事が有りませんので、多くの人達が各職場で交代で順次長期休暇をとるようになっていますが、特に病院やクリニックでの医師の人達がこの時期に交代で長期休暇をとっているのが多く目につきます。
最近のニューヨークタイムス紙にはアメリカ人のバケーションの基礎数字として下記の様な統計が紹介されています。
- アメリカ人の平均的な年間のバケーション期間は14日となっていて、イギリス人の平均が26日、フランス人の平均が37日となっているに比べて少ない。
- 世界の137カ国で国が有給休暇日を定めているが、先進工業国の中でアメリカだけが国として定めていない。(国民の祝祭日と定められた日は有給休暇日と言う意味と思われます。アメリカではその法律的な拘束は有りません。)
- アメリカ人の39%は4月時点での調査では「これからの6ヶ月間にバケーションをとる」としている。
と言う様な内容となっています。
アメリカでの自動車用ガソリン価格の近況~1
陽気が大変良くなって来ているので、外へドライブにでも出かけようかと言う季節ですが、ガソリンが非常に高騰しているので特に長距離ドライブは躊躇させられる最近です。
そんな中で各航空会社でもジェット燃料の高騰には頭を痛めており、いろいろな手段で燃料消費の節約を行っている事が紹介されていますが、最終的には航空運賃の値上げをせざるを得ないということで、アメリカ人達のバケーションの過ごし方にも影響が出て来そうな最近です。
特に仕事からの現役引退を決めた人達にとって、「引退後はキャンピングカーを購入して家内とゆっくり全米各地を周ってみよう」という事が一種の理想となっていますが、ここのところのガソリンの異常な高騰でキャンピングカーの売れ行きが大幅にダウンしており、それに従って新車や中古のキャンピングカーの購入価格が大幅に下がって来ているので、これから引退時期を迎えるアメリカのベビーブーマーの世代の人達はキャンピングカーのデイーラーにとって販売顧客として絶好の対象者となっている最近です。
仕事から引退後の生活を送るのにベストな都市
日本でも団塊の世代と呼ばれている様にアメリカでもBaby Boomerと呼ばれて第2次世界大戦終了直後に産まれた人の人口構成は突出した多さとなっていますが、その人達がいよいよ仕事から引退する時期となって来ています。 それに伴っていろいろな面での社会現象が生ずる事が予想され、政府や各州の自治体等では対応策が検討されています。
雑誌 U.S. News & World Report が最近発表した記事「Brainiest Places to Retire」では全米で引退後もその人の知識や経験を活かす環境が整っている都市の順位、という調査結果を載せています。
それによると、10位迄の都市のリストは下記の様になっています。
1位 | Ann Arbor | ミシガン州 |
2位 | Berkeley | カリフォルニア州 |
3位 | Boulder | コロラド州 |
4位 | Brookline | マサチュウセッツ州 |
5位 | Chapel Hill | ノースカロライナ州 |
6位 | Hoboken | ニュージャージー州 |
7位 | Lake Oswego | オレゴン州 |
8位 | Reston | バージニア州 |
9位 | Upper Saint Clair | ペンシルベニア州 |
10位 | West Lafayette | インデイアナ州 |
と言う事でコロラド大学の本校のキャンパス町ボールダーが全米でも3位と高位置に付けています。
ボールダーには政府の研究機関やハイテク企業の研究所などが多く事業を行っており、コロラド州の中でもアカデミックな雰囲気が最も感じられる町でもありますので、この順位は宜なるかなと言う感じがします。
ボールダーの町中を駆け抜けるレース『Bolder Boulder』
ボールダーと言えば日本でも女子マラソンのメダリストの有森裕子、高橋尚子そして千葉真子などのかっての花形選手達の高地トレーニング場として知られていますが、現在でも多くの日本女子陸上界の選手達が利用しています。
また、毎年5月末の祝祭日Memorial Dayにボールダーの町中の街路コースを使って行われる10kmレース「Bolder Boulder」はかってマラソンのオリンピック金メダリストFrank Shorter選手を産み出した事でも知られており、多くの世界各地からの有名マラソン選手なども参加、そして多数の市民ランナーの参加も得て毎年恒例となっています。1979年に第1回が行われて今年は30回目の大会ですが、今回も5月26日(月)に総勢54040名の総登録ランナーが参加して実施されています。
特に女子のエリートの部では日本から参加した狩野ゆり選手が4位となって賞金1750ドルを獲得し、9位に尾見也ひろみ選手、19位に島原きよこ選手が入って、チームとして日本はルーマニア、ケニヤ、エチオピアに続いて4位となって賞金6000ドルを得ました。更に女子の市民ランナーの部では、2位に速狩みのり選手、4位に吉田かおり選手、7位に木下ゆみ子選手がそれぞれ入っています。
一方、男子の部では例年日本からの参加者は見られなかったのですが、今年は男子エリートの部で9位に岩水よしたか選手、21位に原田たく選手、22位に森かずはる選手が入って日本はチーム成績として7位となっています。
マラソンと異なりコース延長10kmと短距離の高速レースですが、コースの標高が一番高い部分で1643m、一番低い部分でも1610mと比較的高地でのレースですので空気が薄く練習を充分積んで参加しないと大変な事になります。
ゴール迄たどり着いたランナーの数は48955名でその数は今までの新記録となりました。ちなみに日本女子マラソンの選手達が高地トレーニングに使用しているコースはボールダーの町から更にロッキー山脈を1000m程登った場所にある道路を使用しています。
これから世界の3大マラソンレースでの出場をして再起を狙っている高橋尚子選手が再びボールダーでのトレーニングを始めると言う事で中国の崑明での高地トレーニングをして彼女が臨んだ東京マラソンでは良い成績が残せませんでしたので、コロラドの方がより彼女に合っていると言う事なのではないかと想像しています
アメリカでの自動車用ガソリン価格の近況~2
原油取引価格の高騰によって日本でもガソリンの価格の高騰は切実な問題となっていることと思いますが、今迄大型エンジンを積んだガソリンガブ飲み自動車でほとんどその購入価格は気にしていなかったアメリカの人達もさすがに最近の情勢は大きな頭痛の種となって来ています。
天候が初夏の陽光となって外へドライブするのに良い季節となってきていますが、そんな中にあって、アメリカでのガソリンの小売価格の状況が連邦エネルギー省から毎週報告されています。
それによりますと、全米でのレギュラーガソリンの平均価格は6月2日(月)現在で、1ガロン当たり3.976ドルでその前の週に比べて3.9セント上昇したとしています。
これで、ここのところ10週間連続しての上昇となっています。
一方、コロラド州のガソリン価格の状況はAAA Colorado(American Automobile Association) から毎週報告されていますが、5月31日現在でコロラド州内平均で1ガロン当たり3.928ドルと1年前の同日比で62セント高くなっており高い記録を更新しています。
その後6月2日(月)のコロラド平均価格は1ガロン当たり3.924ドルとわずかに下がっています。
ちなみに、アメリカ内で最もガソリンの平均価格が高い州はカリフォルニア州で1ガロン当たり4.242ドルと4ドルの壁をとっくに越えています。
また、最も平均価格が低い州はメキシコ湾岸沿いのテキサス、ルイジアナ、ミシシッピー、アラバマなどの各州で1ガロン当たり3.846ドルとなっています。
上記の各地での価格が公表された以降もガソリン価格は少しずつながら上がり続けていますので、全米平均価格が1ガロン当たり4ドルの大台を越えるのは時間の問題だ、とAAAやOil Price Information Serviceでは見ています。
そんな訳で、我が家でもこうしたガソリン価格の高騰は大変困った事となっていますが、家内が目敏く各ガソリンスタンドの価格をチェックしていて、今のところ会員制スーパーのCostcoやSam’s Clubといったところに付属しているガソリンスタンドや通常のスーパーマーケットでもコロラドに多くの店舗を展開しているKing Soopersの店に付属のスタンドでその会員カードを示すと割引になることから、そうしたところが他の町のスタンドより安価な事からガソリンの購入をしています。
しかしながら、こうしたガソリン価格の急速な高騰はさすがのアメリカ人達にとって頭痛の種となって来ているだけでなく、原料として、また輸送や燃料として石油を使用しているいろいろな商品の価格高騰を招きかけていますので、アメリカ経済のインフレ率を押し上げる、と言う事で、これからの成り行きが大変心配されます。
各州を象徴する郵便切手が発行される
このレポートの前号で全米の各州を象徴する25セント硬貨(Quarters)が順次リリースされている事を報告しましたが、今度は郵便切手で同様な各州を象徴する背景にその州の旗を描いたものがこれから3年かけて順次発行される事になりました。
アメリカの郵便はUSPS (United States Postal Sevices)が取り扱っており、昔は国営企業だったのですが、現在では郵政民営化されており現在でもまだその株式の多くを連邦政府が所有していますが民間企業となっています。
アメリカ全50州の各州の旗とともにアメリカが委任統治している各地区、そして首府のワシントンDC、そしてアメリカ国旗のみのものなど合計60種類を42セント切手にあしらわれて6月14日のFlag Day(国旗記念日)にその最初のものが発行されますが、コロラド州の切手がその最初のものの一つとなります。
対象となる42セント切手は通常国内郵便(First Class Mail) の葉書や封書に使われるもので、最もポピュラーな切手ですが、暫く前迄37セントの料金だったのが、39セントとなり、更に41セントでしばらく継続されていましたが、今年の4月初めから値上がりして42セントの料金となっています。
25セント硬貨で各州の記念コインが順次発行されているのを見て郵便局でもそれにならって実施する事に決めたものと思われますが、広大な国ですので国民の各州への関心を得るのには大変良いアイデアだと思われます。
また、記念切手の趣味の蒐集家にとっても興味の対象となるのではないかと思われます。
あとがき
民主党の大統領指名候補を決めるバラックオバマ候補とヒラリークリントン候補との激戦にようやく決着がついてバラックオバマ候補に軍配が上がりましたが、 8月25日から28日の間デンバーで開催される民主党全国大会で彼が大統領候補に指名される事となった事は日本でも伝わっている事と思います。
総勢35000名にものぼると言うこの大会の準備でデンバー市当局は期日が迫って来ている事からおおわらわとなって来ています。
会場の準備や宿泊ホテルの手配、そして空港の対応、ホテルと会場との間の輸送等はもちろんですが、開催期間中の治安、安全の確保については特に重要と言う事で、今週薬剤等によるテロ攻撃が行われた、と言う想定での対応実地訓練がデンバーで行われました。
一方、今回の民主党全国大会の対応でデンバー市への経済効果が大きい事は以前から紹介されていますが、デンバー市での対応準備にかかる費用の方に付いては先月Hickenlooper市長からその資金調達が多額に不足している、との発表が行われて、コロラド州内の民主党支部や州当局の資金集めが急を告げています。
そんな中、5月27日(火)には共和党の指名大統領候補のジョンマケイン氏がデンバーを訪れて、デンバー大学の構内に在るケーブルTV記念会館で大勢の参加者を前に演説を行っています。
また、翌日5月28日(水)には現在のブッシュ大統領がコロラドスプリングスの町の郊外に在る空軍士官学校(Air Force Academy)の卒業式に出席して祝辞を述べました。
更に、同じ5月28日(水)には民主党の指名大統領候補となるバラックオバマ氏がデンバーを訪問して、デンバーの北部のThorntonのタウンホールで大勢の参加者の前で演説を行いました。
通常こうした中央政界の主要人物が相次いでコロラドを訪れると言う事はまれな事で、大統領選挙ならではの出来事と言えそうですが、コロラド州が盛り上がっている、という最近です。