日本では北京オリンピックの開催日に向けてのカウントダウンが始まっている事と思いますが、コロラドでは現在8月25日から28日の4日間にわたって開催される民主党全国大会の期日がいよいよ迫って来てその準備が秒読みの段階となっています。
この大会では現在のブッシュ大統領の後を引き継ぐアメリカ大統領の民主党候補にバラックオバマ氏が公式に指名される一大イベントですが、デンバー市ではその準備におおわらわという最近です。
丁度100年前にやはり当時の民主党全国大会がデンバーで開催されていますが、 デンバー市としては始まって以来の大イベントと言う事で、今回は全米から民主党員約35000名がデンバーに集まる他、新聞やTVなどの報道関係者だけでも約17000名が開催前からデンバーへ入ってその準備作業を行うと予定されており、デンバー市では北京オリンピックどころではないと言った状況です。
この民主党全国大会の前の8月14日(木)から16日(土)の間に全国の消防の責任者の会合が開かれて約15000名がデンバーへやってくる事となっており、さらに、この民主党全国大会が終了してから1週間おいて9月3日(水)から7日(日)のスケジュールでデンバーのコロラドコンベンシヨンセンターは今回で3回目の開催となるCEDIA (Custom Electronic Design Installation Association)のショーが予定されており、約3万人の業者が集まります。
そして、9月の下旬には全国チェーンの荒物店のAce Hardware Fall Convention & Exhibitが開催され約17000名の人が全米から集まります。
この様に今年はこの時期に大きな全国規模の集会がデンバーで軒を連ねていますので、デンバー市としてはその安全保安面での対応や交通運輸面そして宿泊面の対応等大忙しのシーズンとなります。
オンラインビデオの普及とYouTubeの伸張
Google社のインターネットオンラインビデオを扱うYouTube.comの視聴者数が急速に伸びて来ています。 アメリカでのオンラインビデオの業界自身がここのところ急速な伸張を示しており、1年前に比べるとそのアクセス率は66%の増加となっているとしています。 また、市場調査会社のcomScore社の調査統計によると、今年の2月現在の実績で下記の様な数字が示されています。
- アメリカのインターネットの利用者の72.8%はオンラインビデオを見ている。
- YouTube.comを通して34.2億通のビデオが見られており、これは利用者の一人当たり平均42.6通のビデオが見られている事になる。
- MySpace.comを通しては5.39億通のビデオが見られており、これは利用者の一人当たりにして、平均10.7通のビデオが見られている事になる。
- オンラインビデオの平均時間は2.7分間となっている。
- オンラインでの利用者全体では平均して75通のビデオが見られている。などとしています。
さらに、オンラインビデオの業界でのアクセス数の市場占有率については、
1位 | Googleサイト(その殆どがYouTube) | 35.4% |
2位 | Fox Interactive | 5.8% |
3位 | Yahoo! | 2.9% |
4位 | Microsoft | 2.9% |
5位 | ViacomDigital | 2.2% |
6位 | TimeWarner | 1.3% |
7位 | DisneyOnline | 1.3% |
8位 | AOL (American On Line) | 1.1% |
9位 | ABC.com | 1.0% |
10位 | Comcast | 0.9% |
0.9%以下の占有率の各社が残り54.8%を占めており、YouTubeの圧倒的な市場占有率となっていますが、一方、半分以上が0.9%以下のWebサイト多数社で占められている事になります。
オンラインビデオの利用の為には少なくとも1.5MbpsのハイスピードADSLのインターネットが必要となりますが、アメリカではこうしたブロードバンドサービス面では、日本や韓国、シンガポールなどのアジアの国々に比べてその普及がかなり遅れていましたが、最近になってその利用者数が大幅に増加して来ており、それがこうしたオンラインビデオの利用の増大になって来ている理由となっています。
もともと、各新聞社のWebで動画ニュースを扱うコラムに登場してポピュラーとなって来たオンラインビデオですが、プログラム内容に付いてもかなりのバラエテイに富んできており、いよいよ映画プログラムの配信へとそのビジネスの主力が移行して行く様相です。
インターネットでの映画プログラム配信
DVD映画デイスクのレンタルをオンラインで注文して郵便で配達し、郵便で返却するシステムで大きな事業となったNetflix社とゲーム機Xboxを推進するマイクロソフト社とが7月14日にインターネットを介して映画プログラムの配信を行うシステムを共同で推進すると発表しています。
このサービスを受けるユーザーはマイクロソフト社のゲーム機Xboxをコンソールとして使用し、数千の映画プログラムを受信する事になり、Xboxが単なるゲーム機としてではなく家庭での「All-Purpose Home-Entertainment Hub」となる事を狙っているものとしています。
このマイクロソフト社とNetflix社の連携については、ロサンゼルスで開催されたE3 Media & Business Summitで公表されたものですが、現在のNetflix社のユーザーはTVセットにXboxを接続してインターネット経由で1万本の映画プログラムとTVのショー番組を見る事が出来る様になる仕組みで、今年の秋からこのサービスがスタートします。
現在でもXboxを介しての映画のダウンロードは可能となっていますが、ダウンロード出来るプログラム数では今回の半分くらいとなっています。
業界で始まっているこうしたインターネット経由の映画プログラムのダウンロードサービスはその便利さと今後の急速な成長ビジネスとなると予想される事から、 現在のNetflix社のDVDを郵便で扱う仕組みを圧迫する事となるので、その日に備えてNetflix社が準備する必要性を感じている事と、Xboxを家庭のハブコンソールとして強化することを考えているマイクロソフト社の意向とが今回合致したものと思われます。
フォトギャラリー~その1
デンバー国際空港(DIA)の5月の実績
5月度のデンバー空港の乗降客数の実績報告がデンバー市の空港当局から行われて、その利用客総数は445万人で昨年5月に比べて3.5%の増加となったとしています。
アメリカ経済が不調となっていますし、原油価格の高騰により、航空燃料が高騰している事から航空運賃が値上がりして来ている昨今ですが今回の5月の実績はデンバー空港開港以来の最高記録で、併せてこれで17ヶ月連続しての月別記録更新となっています。
特に最近では7月6日の日曜日には過去最高の混雑振りを示しましたが、今後の予測として今年の終盤になって経済不調の影響から乗客数が減少し、さらにDIAに乗り入れている航空各社の便数削減が予定されていることから、その伸張は期待出来なくなるとしています。
現在、航空各社の最も頭痛の種は航空燃料の価格高騰で、その対応策として下記の様な対策がとられています。
- 航空便数の削減 - 特に乗客占席率の低い便はその運行をやめる。
- 燃料効率の悪い機種(特に古い機種)はその機体を売却し新しい効率の良い新型機に切り替える。
- 乗客の荷物に付いてはチェックイン時に預ける荷物1個当たり10ドルから15ドルの料金をチェックイン時に徴収する事として乗客の重量意識を喚起する。
- 出発時に搭載する航空燃料をギリギリ迄少なくして出来るだけ軽量で離陸出来る様にする。
- 飛行速度を今迄より遅くして燃料消費を抑える。 また、これによって到着便の到着時刻の修正も行う。
と、あらゆる手法をとって燃料の節約に務めていますが、もうしばらくすると乗客の体重別の航空運賃となるのではないか、と言う冗談が飛ぶ様な雰囲気となっています。
確かに、マラソンの野口みずき選手と元大関の小錦とが同一料金というのは不条理だとも言えますが、そうした意味から特にカーボンファイバーを多用して機体の軽量化を計り、新型の燃料効率の高いジェットエンジンを搭載しているボーイング社の新型機787型Dreamlinerが多くの期待と人気を得ているのに初出荷が大幅に遅れているのも気になるところです。
航空機が出発時に搭載する航空燃料の量は、その便のパイロットが判断して決める事になっていると言う事で、あまり極端な削減をすると目的地に到着する前に燃料切れとなって近くの空港へ緊急着陸という事態になります。
最近、US Airways社のパイロット組合では、現在その便の10分から15分の余計な飛行が出来る燃料を積載して離陸していますが、きわどすぎるとのクレームが発表されている程です。
ガソリン代のエンゲル係数
Census for American Progressのレポートによりますと、アメリカの家庭でガソリン代が支出に占める割合は今年の第1四半期では平均で税引き後の収入の4%となっているとしています。
この4%という数字は1983年の第4四半期以来との事で、石油製品の価格高騰は食料品の販売価格をじわじわと押し上げていますが、ここのところのガソリン価格の高騰は家庭でのガソリン代の新エンゲル係数が注目される様になって来ています。
コロラドのFort Collinsの町が「住むのにベストな場所」
雑誌「Money」が調査発表している「Best Places to Live」の記事ですが、7月14日(月)に2008年版が公表され、ミネソタ州のミネアポリス/セントポールの両市の郊外の町Plymouthが首位となり、コロラド州のロッキー山脈東山麓のコロラド州立大学のキャンパス町で、Hewlett Packerd社のパソコン事業所が在るFort Collinsの町が2位にランクされています。
Money誌の2006年に小都市に限定して調査発表した前回の「Best Places to Live」ではFort Collinsの町は首位にランクされています。
今回の同雑誌の記事では、特にFort Collinsの町中の全ての道路に「Bike Lane」自転車専用レーンが設けられていて、同市の住民や訪問者達は一週間以内なら無料で自転車が借りられるとしています。
また、古い町に相応しい地ビールやワインの醸造所やレストランがあり、バイオテクノロジーやハイテク会社が多く活動していて、市のエネルギー局ではダウンタウンの1地区に「Zero Energy」地区を設けて推進している、などの特記事項が紹介されています。
フォトギャラリー~その2
あとがき
AARP Bulletin によりますと世界の主要国に於ける60才以上の人の占める人口比率は2000年の実績と2020年の予測とで下記の様になっているとしています。
国名 | 2000年の実績 | 2020年の予測 | 比率変化 |
インド | 7.6% | 11.0% | +3.4% |
中国 | 10.1% | 16.7% | +6.6% |
アメリカ | 16.0% | 22.8% | +6.8% |
フランス | 20.5% | 26.8% | +6.3% |
イギリス | 20.6% | 26.7% | +6.1% |
イタリー | 22.3% | 33.0% | +10.7% |
日本 | 23.2% | 33.7% | +10.5% |
これらの数字が意味するところが何なのか、いろいろと議論されるところですが、 2020年と言えばあとわずか12年後ですので、総人口の1/3が60才以上となる日本はいったいどうなるのだろうか? などと心配になります。