今年2010年に入ってから、このレポートが最初の報告となりますが、コロラドでは今年の11月には州知事の選挙が行われます。
現在州知事を務めているBill Ritterさんが当然2期目も務めるものと皆が思っていたところへ、年初めに突然「この2期目となる選挙には立候補しない。」と公表した事から、賑やかとなってRitterさんの所属する民主党ではいろいろと討議が為されましたが今のところデンバー市長を現在務めているJohn Hickenlooperさんが最有力候補として挙っています。
一方の共和党ではもともとRitterさんと州知事の椅子を11月の選挙で争うつもりでしたが、的が外れた感じで改めて対抗候補の擁立に向けて検討しています。
歴史的に見てデンバー市長からコロラド州知事となった人は今迄に1人しかおらず、 コロラドが州となる以前の1875年から1976年の間コロラド地域長を務め、 1876年から1879年の間コロラド州知事であったJohn Long Routtさんが 1883年から1885年の間デンバー市長となり、その後更にコロラド州知事を1891年から1893年の間務めています。
Hickenlooper市長は人々に比較的人気が有るので、もし知事に選出されると歴史的に2人目の知事が誕生する事となります。 また、彼の州知事選への立候補によってデンバー市長の座が空席となりますのでデンバー市長の選挙も行われる事になりますが、現在7名以上の候補者候補の名前が挙がっており、こちらは突然の事で強力候補が少なく大勢の林立状態となりそうです。
いったい誰がこのコロラド州知事とデンバー市長になるかでいろいろと11月まで賑やかなコロラドとなりそうです。
2009年の人口が500万人を越えたコロラド州
アメリカでは10年毎に国勢調査が行われており、前回が2000年に行われましたので、今年は国勢調査の年となります。また、その間毎年U.S. Census Bureau(アメリカ国勢調査局)では調査に基づくフォローアップとして人口動態を含むその年の推定統計を発表しており、昨年末に2009年の発表があって、それによるとコロラド州の人口は2008年より約9万人増加して500万人を越え502万4748人となったとしています。
経済不調の中に有ってこの人口の増加は増加率で1.8%で全米で4位の増加率となっており、州当局も予想していなかったこの数字に驚いています。
2000年の国勢調査統計以来(2000年4月1日)で430万1000人からコロラド州では毎年コンスタントに人口の増加を続けて来ており、この厳しいアメリカでの経済環境にあってコロラドは人々に働いたり住むのに良い場所なのだ、と言う事の様です。
これらの人口の増加の内訳は、他の州からの移動が増加して39.8%を占めており、外国からの移住者は14.6%で、45.6%がコロラドに住んでいる人々の新しく生まれた人の数から死亡した人の数を引いた人数の比率となっています。コロラド州の人口は2000年の国勢調査時より16.8%増加して70万人以上の人口増加となっており、この増加率は全米で第7位の増加になります。
ちなみに、全米での2008年7月1日から2009年7月1日の一年間での変化で人口増加のトップ5州と減少トップ5州に付いて見てみると次の様になっています。
人口増加のトップ5州 | 人口減少のトップ5州 | ||
ワイオミング州 | + 2.07% | ミシガン州 | – 0.33% |
ユタ州 | + 2.06% | メイン州 | – 0.11% |
テキサス州 | + 1.93% | ロードアイランド州 | – 0.03% |
コロラド州 | + 1.78% | バーモント州 | + 0.11% |
ワシントンDC | + 1.60% | オハイオ州 | + 0.13% |
人口の減少した州は右の上位3州のみでその他の州は全て増加しています。
このコロラド州の人口増加によって人口比例で選出人数を決めているアメリカ連邦議会への議員選出枠が現在の7名から8名に増やせる事になりますが、今年の11月のElection Dayから実施される事となります。
ちなみに、昨年11月の失業率の統計では、コロラド州は6.9%となっており、ネバダ州が12.3%、アリゾナ州が8.9%で、全米で最も失業率の低い州はノースダコタ州で4.1%となっています。そして、最も高い失業率を示している州はミシガン州の14.7%で全米平均が約10%となっていますので、労働人口の10人に一人が失業と云う状態ですが、人口増加率と失業率とがかなりリンクしていると言えます。
アメリカ自動車産業のメッカとも云えるデトロイトの在るミシガン州が失業率でも、また人口の減少率でもアメリカで最悪の数値を示している事から、アメリカ自動車産業の苦悩を伺い知る事が出来ます。
2010年国勢調査(Census 2010)基礎数字
今年はアメリカでの10年に1回の国勢調査の年にあたります。
第1回の国勢調査は1790年に実施されましたが、その時のアメリカの総人口は約390万人でしたが、昨年2009年では3億800万人となっており、最近では世界の先進国の中で唯一の人口増加の国となっています。
今年3月には各家庭へ合計1億2000万通の国勢調査表が郵送されて、それに所帯毎に記入して郵便で返送するか、そうでない時には全国で140万人の臨時調査係員が各家庭を戸別訪問して調査に当たります。
1790年調査にはたったの650名の係員で実施されました。2000年の国勢調査時は全体の67%が郵便で回答しています。また、今回の国勢調査には総額約150億ドルの費用が計上されています。
また、全米での都市部のみでの2000年時から2008年での人口増加数の大きかった都市は
- New York(ニューヨーク州)
- Houston(テキサス州)
- Phoenix(アリゾナ州)
2000年時から2008年での人口減少数の大きかった都市は
- New Orleans(ルイジアナ州)
- Philadelphia(ペンシルバニア州)
- Cleveland(オハイオ州)
となっています。
全米の大学で第5位にランクされたコロラド大学
現在アメリカの各高校の今年5月の卒業生たちはその進学しようとする大学を検討している時期に当たっており、いろいろな雑誌や本などで全米の各大学の内容を紹介する記事が特集で掲載されています。
教育雑誌の「The Prinston Review」が今週全国紙新聞のUSA TodayのWebに載せた「2010 Rankings of 100 Best Value colleges and universities」には、「学生が求めている良い教育が妥当な費用で受けられる大学のトップランキング100学校 」と言うテーマでの調査結果を発表しています。
その調査結果の100校の中でコロラド大学のボールダー本校が第5位にランクされてトップクラスに入っています。
この調査は全米の650の公立及び私立の大学キャンパスで各大学の管理職者及び学生たちを対象に調査を行ったもので、ちなみにこの調査のランキングでトップとなった大学は公立大学ではバージニア州のCharlottesvilleに在る「University of Virginia」がランクされており、私立大学ではペンシルバニア州の「Swarthmore College」が首位となっています。
Boulderの町にメインキャンパスを持つコロラド大学は今迄に多くのノーベル賞受賞の研究者たちを輩出しており、公立のコロラド州立大学と並んで人気がある大学となっています。
コーヒーは身体に良いか? 悪いか?
日本でも現在では毎日の飲むコーヒーはポピュラーとなっていますが、アメリカ人のコーヒー好きは格別で、あちこちのオフィスや医院の待合室、そして教会などでもドリップ式の大型コーヒーメーカーが備えられていて何時でも誰でも飲める様になっています。
私の家内の行っている教会では日曜日の礼拝時には朝早くからコーヒーが用意されていて礼拝に集まる人達がコーヒーを飲んでから牧師さんのお説教を聞いたり礼拝したりしており、各メンバーが順番制で朝のコーヒーの準備を行っていますので、家内が当番の時には何時もより30分早く教会へ出かけて行きます。
また、町中でのあちこちで見かけるコーヒーショップで大成功したスターバックス社の向こうを張って最近ではハンバーガーショップのマクドナルド店が今迄のポピュラーな同店のコーヒーでなく、プレミアムコーヒーと称して特別に抽出した注文を受けてから作るコーヒーの販売を始めて、価格はわずかに高いものの人気が出て来ています。
オローラ市内のスターバックスコーヒーショップ
私の住んでいるオローラ市内のCity Center ショッピングセンターの一角に在るStarbucks Coffee店です。常にお客が入っていて人気のある店です。店の前には日よけ傘とベンチが設置されていて、夏は外でコーヒーを楽しめる様になっています。
昨年10月から12月の四半期のStarbucks社の業績が発表になって売上げは前年同四半期に比べて4%上昇して27億2000万ドルで、利益は前年が6430万ドルであったのに比べて大幅に伸ばして2億4150万ドルとなったとしています。
一年前の2008年同四半期には景気の悪化の影響を受けて、同店の業績の悪い店について閉店し従業員の解雇なども行われ、店数も減少しましたが、今回は利益面で3倍以上とその業績の挽回が計られています。
スターバックス社の新聞折り込み広告から(1)
珍しく最近の地元新聞にStarbucks Coffee店の折り込み広告が入りました。内容としては、「一日の何時でも気の利いたアイデアのご紹介」と言う事で従来のコーヒーに加えてPerfect Oatmealと言う名称で小皿のオートミールおよびHot Chicken Santa Fe Panini と言う名称の鶏肉を小さなパンで挟んだグリルサンドイッチの新しく2商品の紹介広告です。
この2商品のどちらかに「Tall Vanilla Rooibos Full Leaf Tea」と「Tall Skinny Vanilla Latte」そして「Tall Skinny Cinnamon Doice Latte」といった3種類の飲み物のどれかを組み合わせて注文するという事で、合計6種類のスナック形式の飲食物が楽しめる、という事になっています。
更に、オートミールの方はその味付けでBrown Sugar とDried FruitそしてMixed Nutsの3種類が選べて、グリルサンドイッチの方は鶏肉の代わりにRoasted Tomato & Mozzarella とHam & SwissそしてTuna Meltの4種類が選べる、と言う事で、合計3 x 3 x 4 種類の組み合わせの中から選んで下さい、と言う事になっています。
「低カロリーで健康な気の利いた飲食物」というまさにマクドナルドと正反対のイメージでの食品商品の導入で真っ向勝負、と言った感じがしますが、今迄スターバックス社が築いて来たライフスタイルイメージを強調する新商品の導入と言えそうです。
スターバックス社の新聞折り込み広告から(2)
この広告にはクレジットカードサイズのカードが貼付けてあって、「このカードをスターバックスの店で示して新商品の購入をすれば、毎日何時でも3月8日迄は1ドルの割引が受けられます。」としています。
オローラ市内のPerky Cups’ Coffee Shop
私の住んでいるオローラ市内の小型なショッピングセンターの一角に在るコーヒーショップです。
今迄長い間PEABERRY COFFEE Shopという名前で親しまれて来たコーヒー店ですが、最近その店名を変えてPerky Cups’ Coffee Shopとなりました。 スターバックスの進出で押されて苦戦していますが、多くの固定客を掴んでいますので、変わりなく営業しています。
オローラ市内のマクドナルド店(1)
私の家からすぐ近くのMississippi通りに在るマクドナルド店です。
Starbucks店同様McDonald’s店は日本でもおなじみですが、この建物の裏側がおなじみの24時間営業のドライブスルーの販売口となっています。店の窓ガラスに大きな新商品のポスターが何枚か掲示されています。
オローラ市内のマクドナルド店(2)
「経済不況に強いマクドナルド」と言われており、主力は価格1ドルの「Dollar Menu」で下に「a la carte only」と表示してあり、他の食品と組み合わせて購入した場合のみ1ドルで入手出来ます、と言う仕組みです。
そんな訳でコーヒーを飲む人の人口が多い事から、以前よりコーヒーは身体に良いか? また、悪いか? といった議論が盛んに行われていて、医学的な検討や健康状態に対する統計調査などが大学の研究室や医療機関などでまじめに行われて発表されています。
今迄の調査結果ではコーヒーは飲み過ぎを誘う事や癖になる事などがあって、特に心臓に良くないという報告が多くを占めていましたが、最近の本格的な調査結果の多くは、むしろ身体に良い、という報告がなされて来る様になっています。
スターバックス社にとっては朗報とも云える調査結果ですが、それらについて少し見てみますと次の様な事を云っています。
- Harvard School of Public Healthの栄養学および疫病学科のRob van Dam助教授によりますと、コーヒーを飲む人に関する多くの調査研究の結果として、コーヒーを多く飲む事によって心臓動脈疾患やガンによって死に至ると言う原因となる事は、1日に6杯くらい飲む人の場合でも無いとしています。
- そして、同助教授の「Archives of Internal Medicine」で発行されたレポートには、むしろ肝臓疾患やタイプ2の糖尿病を発症する危険を下げ、1日3杯から4杯のコーヒーを飲む事によってタイプ2の糖尿病の発症率を約25%下げる様に作用するとしています。
- また、同じHarvardの研究者たちの発表によると、コーヒー飲みの男性の場合は前立腺ガンの発症率を60%まで下げるとしています。
- また、コーヒーを飲む事によって心臓発作を抑え、アルツハイマー症による痴呆やパーキンソン病、そして子宮ガン、大腸ガン、胆石などを抑える様に作用する、としています。
- メリーランド州のBethesdaの医師のDaniel Burnettさんによると、コーヒーの摂取は精神的な高揚を促し、運動機能を高め、我慢や鬱状態のムードを防ぐ、と言っています。
- しかしながら、その他の医師たちは、流産や死産、そして心配性や不眠症などのリスクを指摘しており、妊娠している婦人や血圧に異常のある人は飲む量を減らすかやめる様に、と言っています。
- John Hopkins University School of Medicineの精神病学部の名誉研究員のDaniel Evattさんは、コーヒーはそれを飲む事が癖になる点を問題にしており、「カフェインは精神状態をコントロールするのに用いる薬として広く使用されています。多くの人達はコーヒーを飲む事によって素早く元気が出てエネルギーアップが計れ、頭痛や無気力感、その他の症状を除くのに効果があります。しかしながら、長期間コーヒーを飲み続けている人にとってはそれらの効能に対して慣れてしまって気付かなくなります。
そして、朝の気怠さを除く事については1杯か2杯で十分で沢山飲まなくとも身体の機能を通常に戻すのに役立ちます。」と言っています。 - 研究者たちは子供やティーンエイジャーたちがフラプチーノや炭酸飲料、エネルギードリンク等の様な高エネルギーの飲み物などともにコーヒーをガブ飲みすることについては大変心配しています。
こうした年少者たちはそうでなくても感情的な起伏が激しいので、それにカフェインを加える事は彼らの身体はそれを受け入れる様には出来ていない、としています。 - コーヒー好きな人の場合でも、その日常的な摂取量を把握して、コーヒー、お茶、お酒などの飲み物への反応具合やいらだち、身体の震え、そして不眠などの兆候が現れていないか注意する事を推奨しています。この事は、カフェインが身体内で新陳代謝するレベルは人によって大きく異なるからです。これは、コーラやカプチーノなどの場合についても同様だとしています。
- しかしながら、健康に対するリスク面では1日約6杯までなら問題が無いと一般的に云えるとしており、その1杯の意味は8オンス(227グラム)から10オンス(284グラム)のブラックコーヒーの基準としている、と前記のRob van Dam助教授は云っています。
以上、コーヒーの功罪について述べた形となりましたが、「そんな事を気にしながら飲むのではコーヒーがまずくなる。」と言われると思いますが、コーヒーとは基本的にそうした飲み物と言う事だと思われます。
あとがき
コーヒーと言うとブラジルとかコロンビアといった南米の国が直ぐに出て来ますが、いったいコーヒーは世界のどの地域で最初に飲まれたのでしょうか?雑誌「Reader’s Digest」にその説明が掲載されていました。
記事はクイズ形式で
Where was the first cup of Coffee savored?
- Brazil
- Yemen
- Italy
回答として、次の様に云っています。
西暦1000年頃にエチオピアではコーヒーの木の種子やその乾燥させたものを口で噛んで興奮刺激剤として使用していました。
紅海を挟んで対岸に在るイエメンの近辺ではコーヒー豆を栽培してそれを煎って煮出してその地域のイスラム教のスーフィー主義者(汎神神秘主義者)たちはそれを広めるのに使っていました。
コーヒーはその後イエメンのMocha港からアラビアの各国へ広まり、更に17世紀にはヨーロッパの各国へ出荷される様になった、としています。