InterBEE2010の話題をさらう主人公登場?

去る11月2日、東京秋葉原のUDXカンファレンスオフィスルームDにおいて、マイクロフォーサーズ規格を採用したPanasonicのプロ用HDカメラレコーダーAG-AF105の製品説明会が開催された。すでに、4月のNAB2010や9月に開催されたIBC2010にもサンプル出品されていたが、実機によるサンプルデモは国内初公開となる。

AG-AF105の大きな特徴は、映画用35mm フイルム(22×16mm)とほぼ同じ撮像面積の4/3型(17.3×13mm)MOS センサーを搭載したこととレンズマウントにマイクロフォーサーズ規格を採用していることであろう。これにより、変換アダプターを介して各社の一眼用レンズやプライムレンズ等のシネマ用レンズの装着が可能となる。会場には、各社の一眼用交換レンズやアダプター、PLマウントレンズの他、AG-AF105に直接装着可能なマイクロフォーサーズ規格のZeiss Primelensが並べられていたほか、実際にこうしたレンズを装着したカメラによる実写デモが行われた。

AG-AF105_2566.jpg

デモンストレーションを行う宇郷法明氏

記録方式はAVCHDで、ビットレート24MbpsのPHモードでの記録に対応しており、1080(60i/50i/30p/25p/24p)、720(60p/50p/30p/25p/24p)のマルチHDフォーマット収録が可能。本体にはSDカードスロット(SD/SDHC/SDXC)を2基備えており、64GBのSDXCメモリーカードを2枚使用した場合PHモードで最長12時間の長時間収録が可能となっている。また、マルチHDフォーマットとフルHDプログレッシブ信号に対応した新VFR記録機能を搭載しており、24p再生時には1/2.5倍速のスローモーションや2倍速クイックモーション撮影ができる。

AG-AF105_2396.jpg AG-AF105_2446.jpg

マイクロフォーサーズ規格のZeiss Primelensレンズを装着

アダプターを使うことでPLマウントレンズを装着可能

AG-AF105_2470.jpg AG-AF105_2586.jpg

波形モニター表示やベクトルスコープ表示も可能

本体上部ハンドルグリップと側面グリップが着脱可能。周辺機器の装着など様々なシーンで活用できそうだ

全体の印象としては小型ビデオカメラを一回り大きくしたような感じだが、業務用のカメラとしては決して大きい方ではなく、本体質量も約1.2kgで色分解プリズムがないせいかかなり小型軽量化されている。ちょっと面白いのは、本体上部のハンドルグリップと側面のグリップを取り外す事ができるようになっており、それぞれ1/4ネジが2個装備されている点だ。これにより(シューアダプター/ビス穴)、液晶モニターなどの周辺機器の装着や3Dリグへの搭載、アクションシーン撮影時の車などへの仕込みカメラなどAG-AF105を様々なシーンで活用できそうだ。

AG-AF105_2402.jpg AG-AF105_2408.jpg

大判カメラ用の袋蛇腹を装着することで、アオリ撮影を可能にしたアダプター(駒村商会)。従来ビデオカメラでは不可能だったアオリを使った映像表現が可能となる

左上からPLマウントレンズとアダプター、マイクロフォーサーズ規格のZeiss Primelens、各社の一眼用交換レンズとアダプター。ただしフォーサーズ規格以外レンズのほとんどは、マニュアル操作が基本

側面のLCDモニターは3.45型で約92.1万ドット(1920×480)、VFは0.45型で約122.6万ドット相当(852×480×3(RGB))となっており、業務用としては標準的だが、より正確なピント合わせが行えるようにエッジ着色やフォーカスバー表示によるフォーカスアシスト機能が搭載されているほか、波形モニター表示やベクトルスコープ表示も可能だ。

今回発表されたAG-AF105の発売は12月に予定されており、InterBEE2010へも出展される。なお、価格は約80万円。

主な機能および仕様

  • NDフィルター内蔵:1/4、1/16、1/64、OFF切り替え(ロータリースイッチ)。
  • フォーカスアシスト機能:エッジ着色、フォーカスバー表示。
  • DRS(ダイナミックレンジストレッチャー):明暗の混在するシーンにおいて黒ツブレ・白トビを自動的に抑えるDRS機能を搭載。
  • サムネール表示機能、クリップ削除機能、SDカード間コピー機能を搭載。メタデータ記録にも対応。
  • プリレック、インターバルレック機能を搭載。
  • リレー記録機能:SDメモリー2枚を使用してのリレー記録が可能。
  • WFM 表示機能:LCDモニター上に撮影中の映像のWAVE(波形)を簡易表示可能。
  • ショットマーク機能:OK/NGなど、クリップのマーキングに便利なショットマークを装備。
  • ユーザーボタン:頻度の高い機能をワンタッチで実行できるユーザーボタンを3個装備。
  • 音声レベル可変ボリウム:音声入力(2ch)のマニュアル調整が可能。
  • 映像出力端子(ピン×1)、HD/SD SDI 出力(BNC×1)、HDMI 出力(HDMI Type A×1)を搭載。
  • USB2.0端子(TypeB)でPC等に接続可能。
  • XLR オーディオ入力(XLR×2、MIC/LINE 切替、+48V 対応)、内蔵マイクロホン(ステレオ)搭載。
  • オーディオ出力端子(RCA×2)、ヘッドホン端子(3.5mmステレオミニジャック×1)搭載。
  • カメラリモート端子(スーパーミニジャック×1:ZOOM、S/S、ミニジャック×1:FOCUS、IRIS)。

主な定格(暫定)

  • 電源:DC 7.2V(バッテリー使用時)、DC7.3V(ACアダプター使用時)
  • 消費電力:約12.5W(x10レンズ:H-VS014140使用時)
  • 質量:約1.2kg(本体のみ)
  • 外形寸法:幅163.4mm×高さ195mm×奥行き209.4mm(ハンドル・グリップ含む)

WRITER PROFILE

編集部

編集部

PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。