ついにオリジナルムービー完成!?

さてさてこれまでお伝えしてきた「バイバイシンドローム~さよなら症候群」がついに完成…していなーい!

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本当は先週にもクランクアップして今頃は編集も最終段階だったはずなのだが、一番大事なシーンの芝居がグズグズでどうしてもOKを出す訳にはいかなかった。もちろん自分のこだわりでもあるのだが、出演者に恥をかかせる訳にはいかないのだ。これは決して美談ではない。撮影し終わった後の出演者たちの満足度はそのまま視聴率や売れ行きに関わってくるからだ。

日本では特に映画やドラマは出演者の作品としての認知が高い。監督や脚本家の作品として映画を見てもらえるのはその監督が特に有名であるかマニアックなファンである場合しか考えられない。それではいけないと反省をし、映像作家としてのファン獲得の為、いろいろ活動しているのだが、上映会やるにしてもDVDを販売するにしても、現実はやはり出演者によるプロモーションと既存のファンに頼る部分が多い。そのため出演者に「一人でも多くの人に見てもらいたい。」という気持ちになってもらう事がとても大切だ。特に今回のような自主制作においては宣伝費などあろうはずもなく、せいぜいフライヤーを作るくらいの事しかできない。そこで今効果的なのは出演者のブログだろう。

いや、出演者に限らず、関係者全員のブログで全力宣伝するべきで、個人的な物とは別にプロジェクトが始まった時点で作品のブログを作ってもいい。できればロケの様子や舞台裏の様子をどんどん流していけば興味を持ってくれる人も増える。そして個人の物とリンクを張っておけばそちらへの導入へも一役買うだろう。

完成したら終わりではないということ

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実際、自主映画レベルでなくてもタレントや役者のキャスティングを担当する人は必ずと言っていいほど本人のブログをチェックしているという。本人がどのくらいのファンを持っているか、少なくともファン獲得の為の努力をしているかが時として採用、不採用の明暗を分ける。それぞれのプロモーションや世間への露出がその数をかけ算の如く増やしていくにしても、その元となる数字は彼らにとっても重要な要素なのだ。

本当に埋もれた才能を発掘し、育てるという力がメディア業界に残っていないというのは実に淋しい事ではあるが、このメディア不況の中では仕方ない事なのだろう。ところが役者側にはその自覚の薄さが目立つ。ブログ自体持っていない人もいる。更に不思議な事に、舞台に出演する時には20枚、30枚とチケットを売りさばく人でも、何故か映像作品となると撮影後のプロモーション等念頭にない人が多い。

一度ストレートに理由を聞いてみた事もあったが、本人達にもはっきり理由が分からないという。そこで近頃は出演を交渉する段階で始めからプロモーションでの役割もある事を告げ、ブログを持っていない人にはその場で作って更新の仕方等まで指導するようにしている。これは何も上から目線の命令ではない。せっかく作った作品は見てもらわなければ何にもならない。これは僕も含めて関係書全員に共通して言えることだ。遠慮はいらないと思う。みんなで堂々とプロモーションしよう!

そして僕らの旅まはまた始まる

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さてこの作品だが、実は近日中に上映会をやる事は決まっていて、当然その会場でDVD(R盤、手焼きだが)販売もしようと思っている。残念ながらその詳細をここでお知らせすることはできないが必ず全員でプロモーションしていこうと思っている。どこかで見かけたらぜひ一度ご覧頂きたいと願っている。

ここしばらく技術系の話から離れ、いかに作り、いかに広めるかという話のサンプルとして、私の活動を例に挙げて紹介してきたが、とにかくどんどん作ってほしいし、技術的にはすごくいい時代だと思う。改めて自主映画から映像文化を盛り上げていこうではないか。次回からはまた品質向上の為のヒントやガジェット中心に話をしていきたいと思う。お楽しみに!

WRITER PROFILE

ふるいちやすし

ふるいちやすし

映画作家(監督・脚本・撮影・音楽)。 日本映画監督教会国際委員。 一般社団法人フィルム・ジャパネスク主宰。 極小チームでの映画製作を提唱中。