キヤノンブース動画

キヤノンブースレポート

NAB開催直前に4KビデオカメラXC10および、4K対応のデジタルシネマカメラEOS C300 Mark II、業務用24型4KリファレンスディスプレーDP-V2410などを発表したほか、放送用スタジオ/フィールドレンズDIGISUPERシリーズの試作機をNABに出展することも発表した同社。

会場にはこうした新製品のほか、歴代の箱型ズームレンズやENGズームレンズ、PLマウントレンズなどがショーケースに並べられていたり、レンズメンテナンスの実演コーナーやレンズに搭載されている各種技術展示、ハンズオンコーナー、プリンターなど同社の製品の過去から未来、そして投入されている関連技術やメンテナンスの実際など幅広い内容となっていた。

カメラとレンズの試作機は数台しかなかったが、スタジオ周囲にあるカメラには新製品の4KモニターDP-V2410が数多く投入されており、カメラの画質がよく分かるようになっていた。こうした展示会では他社製のモニターだったり、個々のモニターの調節がバラバラで横並びの比較ができないことが多いがリファレンスディスプレーDP-V2410はクオリティも高く、よく見るとカメラのアラも識別できるほどだ。

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PLマウントレンズのラインナップ

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普段見ることのできないレンズのメンテナンス作業のデモ

やはり人気なのは4KカメラXC10で、いつも人だかりで順番待ちとなっていたが、間近で見るとかなり小さいという印象で、民生機のようにタッチディスプレイモニターを採用している。3型のモニターなので画面選択はちょっとやりづらい気もするが操作性はスマホとそれほど差はなく扱える。ボディサイズが小さいので操作ボタンなどを配置するより合理的といえるだろう。ピントの確認も画面拡大機能があるので安心だ。

XC10はキヤノン独自のビデオフォーマットXF-AVCを採用しているほかCanon LogガンマやワイドDRガンマを選択可能となっており、小さいながらも業務用カメラとしてしっかりした設計になっている。4K収録となると圧縮コーデックにもよるが転送レートも高い必要がありCFast 2.0メモリーを使用するようになっている。国内ではまだあまり普及しておらず価格的にもまだ値頃感が出ていないが、今後こうしたカメラの普及により解消していくと思う。ちなみにHD記録ではSDメモリーに記録可能となっている。

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4KカメラXC10。民生機のような大きさとデザインだがCanon LogガンマやXF-AVCなどを搭載している

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人の指の大きさで比較してみるとそのサイズがなんとなくわかると思う。ディスプレイの視認性はよく、ピント確認のために拡大表示に対応している

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参考出品の4Kレンズ。F1.7、2倍のエクステンダーとIMAGE STABILIZERを搭載している

参考出品の4Kレンズは現状のHD対応機種と同等の運用性や操作性を備えた仕様となっており、4K撮影時でもHDと同じ運用性を実現している。マウントはB4で2/3型3板プリズム光学系を搭載したカメラ用だ。すでに今回のNABでカメラメーカーが対応したカメラを発表しており、こうしたカメラに適合したレンズとなっている。発参考出品なので正式な仕様は公開されていないが2倍のエクステンダーとIMAGE STABILIZERを搭載。展示のレンズはF1.7となっており、レンズサイドには“UHD DIGISUPER”のロゴが付いていた。

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小型HDビデオカメラXF205。フォーカスとズーム、アイリスは独立操作可能なほか最大120°回転可能なグリップを採用している

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視認性のよい3.5型の有機ELモニターを搭載のXF205