編集やカラーグレーディングなどの作業はいまやPC上で行うのが当たり前で、以前はPC用モニターの他にプレビュー用としてピクチュア(マスター)モニターや波形・ベクトルスコープを接続するのが一般的だった。これは、PC用のモニターとテレビ用のモニターでは表現できるダイナミックレンジや色域が異なるからで、より厳密を求めると波形・ベクトルスコープも必要となっていた。

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ColorEdge CG248-4K。Rec.709色域外警告やカラーキャリブレーション機能などが搭載されている

現在では編集やカラーグレーディングソフトに付属する波形・ベクトルスコープの信頼性も上がり必ずしも波形・ベクトルスコープを接続しなくてもよくなってきた。PC用のモニターもこうした作業に適した製品がでてきている。EIZOでも以前からそうした用途に向けたモニターを発売していたが、今回新製品として4K対応のモニターとして23.8型カラーマネージメント液晶モニターColorEdge CG248-4Kが出展された。

このモニターにはIMAGICAが開発した3D-LUTデータが装備されており、Rec.2020色域の映像の中でRec.709色域では再現できない色をグレーで警告、もしくはRec.709の色域内に収まるように変換して表示する機能が搭載されているほか、カラーキャリブレーションを行うためのセンサーを内蔵しており、手間のかかるカラーキャリブレーション作業が自動化されている。

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カラーキャリブレーションセンサーは画面上部に仕込まれており、動作を開始すると写真のように画面縁から出てきてすべて自動でカラーキャリブレーションが行われる

NAB2015_EIZO_0373 キャリブレーションは数分ほどで終了するが作業の進行状態がバー表示される

また、複数のモニターをまとめて管理する機能も搭載されており、会社などで多数のモニターをまとめて管理することが容易になっている。たとえば、毎週決まった日時に複数のモニターをまとめてキャリブレーションしたり、各種設定を統一することが可能だ。また、モニター使用者がこうした設定を変更できないようにすることもできるようになっている。

入力端子はケーブル1本で4K UHD/60pの表示が可能なDisplayPort 1.2を2系統、4K UHD/30pまで対応したHDMIを2系統、USBハブを3ポート搭載している。DCI-P3、Rec.2020などの放送規格で定められる色域・ガンマを再現するカラーモードや3D-LUTをプリセットすることができる。これらは10種類までストアでき、その中から1つをプリセットできるようになっている。また、フォーカス確認のためのズーム機能なども搭載しており、4Kにおける編集やカラーグレーディング作業など様々な用途に使用可能となっている。

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専用ソフトにより複数のモニターを一元管理することができる

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予めプリセットされた項目もあるが、ユーザーが任意に新たなプリセットを設定することもできる

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右は通常の表示で、左のモニターがRec.2020色域の映像の中でRec.709色域では再現できない色をグレーで警告表示させたところ