Adobeブース動画
360°全天球動画
Insta360 ONE Xで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google ChromeブラウザおよびiOS/Android版YouTubeアプリが必要です。(アプリ起動はこちら)
豪華ゲストを迎えたプレゼンテーションが大人気
メインはプレゼンテーションステージだ。ステージは、アドビがプロモーション的にツールを紹介するというよりは、クリエイターの人たちがどのように作品を作っているのか、ティップスをどんどん紹介していた。
特に人を集めていたのが、Video Copilotのアンドリュー・クレイマー氏だ。クレイマー氏は、After Effectsの3Dについてテクニックを紹介。アドビのビデオエバンジェリスト、ジェイソン・ラヴィーン氏のステージも大変な人を集めていた。
昔のPremiereは、プロ市場で支持される存在ではなかった。しかし、今、NABのステージを見ていると、Premiere Proはプロ市場で確実に定番的な存在になっていることを改めて感じられた。
Adobe Creative Cloudのビデオ&オーディオツールがアップデート
■After Effectsに不要なオブジェクトを自動的に消す「コンテンツに応じた塗りつぶし」機能を搭載
ステージの背面では、各ツールの個別ブースが設けられていた。テクニカルな質問や各製品を個別にデモやレクチャーが行われており、NAB前にアップデートしたAdobe Creative Cloudの新機能紹介も行われていた。
今回のアップデートで驚くべき機能は、不要なオブジェクトを自動的に消してくれるAfter Effectsに搭載される映像対応の「コンテンツに応じた塗りつぶし」機能だ。「コンテンツに応じた塗りつぶし」はPhotoshopでお馴染みの機能だが、After Effectsでも使用できるようになった。アドビの人工知能とマシンラーニングを使用した機能で、周囲のピクセルと周囲のフレームに基づいて、ビデオのマスクされた領域を自動的画像データを生成してくれる。この機能によって今後、時間短縮などが期待できる。
映像から車を削除をしたい場合は、車のある位置に新規でマスクを切る
「コンテンツに応じた塗りつぶし」を実行
映像から車が消える
■Premiere Proに素材をビジュアライズして見せる「フリーフォーム」機能を搭載
Premiere Proには、プロジェクトパネルのアセットを視覚的に並べ替える「フリーフォーム」が追加された。プロジェクトのメディアの大きさを変えたり、好きなところに配置したりできるようになった。また、ファイル名でソートしたり、撮影者などのメタが入っていれば、そのメタに合わせて並べ替えをすることができるようになった。
フリーフォーム上から複数選択をして、それをそのままドラック&ドロップで、タイムラインにシーケンスにもっていくこともできる。あとは、サムネールのイン点、アウト点を打つこともできる。フリーフォームプロジェクトの中である程度の粗編をして、使用カットを選ぶことができるようになった。
■Character Animatorはパペットのリグ機能を強化
Character Animatorは、2年前にリリースしたばかりの新しい2Dキャラクターアニメソフトだ。Character Animatorは、カメラで撮影した人の顔とCharacterをリンクさせることが可能。自分が動いたりすると、キャラクターも動かせることができる。
これまでのCharacter Animatorは、腕をひっぱるとどんどん伸びしまう。人のバランスからかけ離れてしまうことがあった。パペットのリグ機能が強化され、腕や肩を指定することで伸びないようになった。より人間ぽい動きにすることを可能にしている。
■Premiere Rushは、iOS、macOS、Windows対応でいつでもどこでも編集が可能
Premiere Rushも、アドビ映像ツールの中でも注目のツールだ。Rushが面白いのは、iOS、macOS、Windowsでツールをリリース、プロジェクトと素材はクラウドで共有される。iPadで編集して、途中からデスクトップで作業を続けることが可能。この、いつでもどこでも素材を編集できるのが、Rushの魅力だ。
Rushには、4つのビデオトラックと3つのオーディオ専用トラックが設定でき、最大7つのトラックを使用できる。カラーの調整やタイトルを入れることも可能。
また、ディレクターがPremiere Rushで編集して、エディターがPremiere Proで作業をするといった連携も可能だ。この場合は、Rushのプロジェクトはクラウドにしかないので、Premiere Rushのプロジェクトをほかの人に渡すことはできない。Rushのプロジェクトを他人と共有したい場合は、ディレクターがPremiere ProでRushのプロジェクトを読み込んで保存をして、そのプロジェクトをエディターにわたすことで実現できる。
Premiere ProのプロジェクトはRushで開くことができないが、Premiere RushとPremiere Proはうまく組み合わせて使うことにより、今後、効率のよい編集ワークフローが実現できそうだ。