富士フイルムは、展示会「PRONEWS SUMMIT 2025」において、放送・中継用途を想定したシステムを国内で初めて展示した。このシステムは、同社のカメラ「ETERNA」とPLマウント放送用ズームレンズ「Duvo」シリーズに、光ファイバーアダプター「Sirius」を組み合わせたものである。なお、このアダプターはTBS ACTが企画協力し、プロテックが開発・製造、RAIDが販売代理店を務めている。

これまで放送用レンズで市場をリードしてきた富士フイルムが、ついに自社のカメラボディとレンズを完全に連携させる理想のシステムを提示した形だ。この組み合わせの最大の特長は、将来的なアップデートにより、レンズのブリージング(ピント移動に伴う画角変動)や各種収差をカメラ側で高度に補正できる可能性を秘めている点であろう。
展示では、Duvoシリーズのレンズを装着したETERNAのボディ側面にあるヒロセ12ピンコネクターからレンズへ電源を供給し、ズームやフォーカスのデマンドを実際に動作させていた。公式には未発表の機能だが、すでに安定した電源供給が実現していることは確認できた。

また、システムは光ファイバーケーブル1本で、カメラへの電源供給と、カメラからベースステーションへの映像伝送を同時に行う。これにより、ライブ中継やスポーツイベントといった、長距離伝送が求められる現場での運用が現実のものとなる。

さらに、GFXシリーズと共通のホットシューには、タスカム製のマイクアダプターを装着。これによりキヤノン(XLR)入力にも対応し、音声収録の拡張性も確保されている。今回の展示は、カメラとレンズ双方を知り尽くした富士フイルムだからこそ構築できる、映像制作の新たな境地を切り開くものといえるだろう。
