写真はエーディテクノSNSより

エーディテクノは、展示会「PRONEWS SUMMIT 2025」において、Audinate社が開発した「Dante AV Ultra」規格に準拠したDAV-01シリーズとDAV-02シリーズを展示した。

中心的な製品として紹介されたのは、2025年2月に発売されたDAV-01シリーズである。同シリーズは、映像と音声をDanteネットワークに変換し、1Gbpsのネットワーク環境で低遅延かつ高画質な伝送を実現する。12G-SDIおよびHDMI入力を備えており、既存のSDIを中心としたワークフローに慣れたユーザーが、従来の操作感に近い形でIP伝送へ移行したいというニーズに応えるモデルとして位置づけられている。

写真はエーディテクノSNSより

同時に、よりシンプルな運用を想定するユーザー向けに、HDMI入力に特化したDAV-02シリーズもラインナップされている。こちらはファンレス設計による小型化と低価格化を実現しており、用途に応じて最適な選択が可能である。

これらの製品が持つ最大の利点は、Dante技術がもたらす「プラグアンドプレイ」の思想にある。これまで映像のIP化は、専門的なネットワーク知識が要求されるなど導入のハードルが高い側面があった。しかし、Danteはオーディオ分野で培われた直感的な接続性を映像伝送にも応用しており、あたかもSDIケーブルを接続するような手軽さでIPシステムを構築できる。さらに、高価な10Gbps以上のスイッチを必須とせず、一般的な1Gbpsのネットワークスイッチで運用できるため、システム導入のコストを大幅に抑制できる点も大きな特長である。

ブースでは、その性能を具体的に示すデモンストレーションが行われていた。1Gbpsのネットワークスイッチを介して伝送された映像と、伝送前のソース映像を2つの画面で比較表示し、その低遅延性能を来場者に示していた。両画面にはフレームカウンターが表示され、その数値がほぼ一致していることから、遅延が極めて少ないことが客観的に証明されていた。