撮影機材の輸入販売を手がけるHORIZONは、映像技術の展示会「PRONEWS SUMMIT 2025」において、中国のリハウジングメーカーGL Optics社の製品群を展示。中でもひときわ来場者の目を引いていたのが、中判カメラの名玉として知られるマミヤの「SEKOR C 80mm F1.9」を、現代のシネマ制作現場に対応するべくフルリハウジングしたレンズである。

このレンズは、ARRI ALEXA 65や富士フイルムGFXシリーズといったラージフォーマットセンサーをカバーする広大なイメージサークルを誇る。マウントはPLを標準とし、LPLへの対応も可能だ。

元となるスチルレンズが持つ、柔らかくクリーミーで自然なボケ味といったヴィンテージレンズならではの美しい描写特性はそのままに、鏡筒を堅牢な金属製に変更し、フォーカスリングの回転角を広げ、インナーフォーカス化するなど、現代の映像制作現場で求められる高いレベルの操作性と耐久性を実現している。その幻想的とも言える描写は、夢のシーンを表現するのに最適だと、担当者は語った。

GL Optics社は、中国・成都を拠点とするレンズのリハウジング専門メーカーである。市場に出回るほぼ全てのレンズのリハウジングに対応できるという技術力を持ち、キヤノンやニコンといった現行レンズはもちろん、コンタックスなどの往年のオールドレンズまで、多種多様なレンズをシネマ仕様へと生まれ変わらせている。レンズ本来が持つ描写の「味」を損なわないよう、コーティングには手を加えず、あくまで操作性と堅牢性の向上に特化しているのが特徴だ。

HORIZONは、こうしたユニークなリハウジングレンズに加え、DZOFilmのシネマレンズやGodoxの映像用LEDライト、各種三脚やモニターなども取り扱っている。今後も引き続き、個人クリエイターからハイエンドな制作現場まで、予算や用途に応じた総合的な撮影ソリューションを提案することで、映像制作者たちの創造性を力強くサポートしていくという。