パナソニック コネクトは、オランダ・アムステルダムで開催された国際放送機器展「IBC2025」において別室での特別展示を行った。この展示で、ライブ映像制作システム「KAIROS」の最新バージョンや、4Kスタジオカメラ、リモートカメラシステムの新製品群を披露した。
KAIROS、バージョン2.0でHDMIに対応
同社のIT/IPプラットフォーム「KAIROS」は、この秋にリリースを予定している最新のバージョン2.0が展示の中心となった。このアップデートでは、従来のIP、SDI、NDIに加え、新たにHDMI入出力ボードが追加される。HDMIはバージョン2.1に対応しており、コンシューマー向け機器との接続性が大幅に向上する。このほか、スナップショット機能やマルチシンク機能など、クリエイターの利便性を高める新機能が多数追加された。
4Kスタジオカメラとリモートカメラの新ラインナップ
カメラ製品では、2024年末に発売された4Kスタジオカメラ「AK-UCX100」が展示された。本機はスタジオカメラとして世界で初めてオートフォーカス機能を搭載したモデルである。
さらに今回、新製品として4Kボックスカメラ「AK-UBX100」が発表された。UCX100と共通のシステムを採用することで、システムとしての親和性を高めている。天面がフラットなデザインになったことで、三脚の取り付けなど、より柔軟な設置が可能となった。インターフェースは12G-SDIを2系統備え、光ケーブルでの伝送にも対応する。
リモートカメラコントローラーにも新製品「AW-RP200」が登場した。5つの操作モードを選択できるほか、マルチセレクトパネルの採用で、より簡単な操作を実現している。新たにマクロ機能を搭載し、複数のリモートカメラのプリセットを連続で呼び出すことが可能になった。また、ジョイスティックを2つに増やし、複数のカメラを同時に操作できるようになった点も大きな進化である。
多様な撮影スタイルに応えるソリューション展示
ブースでは、ボックスカメラとサードパーティ製の回転台を組み合わせたソリューションも展示された。4Kボックスカメラ「AW-UB50」「AW-UB10」と回転台を組み合わせ、同社のリモートカメラコントローラーから一元的に制御するデモンストレーションが行われた。
また、縦型動画の撮影需要に応える展示も行われた。AW-UB10を縦位置に設置し、縦型の映像を撮影する様子が紹介された。さらに、LUMIXのレンズ交換式カメラと回転台を組み合わせ、シネマライクな被写界深度の浅い映像をリモートで撮影するソリューションも披露された。これらのシステムはすべて、同社のリモートカメラコントローラーから一括で制御可能であり、カメラ、レンズ、回転台を自由に組み合わせることで、多様な撮影ニーズに対応できる点が強調されていた。