Hollylandは、国際放送機器展「IBC2025」において、次世代のフラッグシップワイヤレスインターカムシステムと、高性能なワイヤレス映像伝送システムの新製品を発表した。
次世代ワイヤレスインターカムシステム「Geo Central Station」「Solidcom H1」
同社のプロダクトマネージャーであるザカリー・ウォン氏によって紹介されたのは、新しいフラッグシップワイヤレスインターカムシステムである。その中核をなすのが、セントラルユニット「Geo Central Station」と「Solidcom H1」である。
「Geo Central Station」は、最大80台のワイヤレスベルトパック、8本のSolidcom ANT01ユニットを接続でき、100のグループ通話に対応する。Dante互換性やクラウド通信機能も備え、大規模なプロダクションにおける複雑なコミュニケーションを一元管理する。
一方、Solidcom ANT01ユニットは、「Geo Central Station」と組み合わせるだけでなく、単体での運用も可能だ。Solidcom ANT01ユニット1本あたり20台のベルトパックを収容でき、最大3本をリンクさせることで、60台のベルトパックを12グループで運用できる柔軟性を持つ。
新開発のワイヤレスベルトパックは、4つの物理ボタンを備え、各ボタンに最大4チャンネルを割り当てることができるため、実質的に16チャンネルの運用が可能となる。バッテリーは着脱式で、最低15時間の連続使用を実現。専用充電器を使えば、ベルトパックを使用しながら予備バッテリーを充電できるため、長時間の運用にも対応する。
また、ノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドセットに対応するため、10ピンのヘッドセットインターフェースと、周囲の騒音を拾うためのセカンダリマイクを装備。これにより、非常に騒がしい環境でもクリアな通話が可能になる。さらに、Bluetooth 5.2にも対応し、ワイヤレスヘッドセットも使用できる。
ベースステーションの背面には、イーサネットポート、Dante、3ピンXLR 4Wインターフェース、他のシステムと接続するための豊富なコネクターが用意されている。専用充電器はデイジーチェーン接続に対応しており、多数のベルトパックを一度にペアリングしたり、ワンクリックでファームウェアのアップデートや設定の同期を行ったりと、ワークフローを劇的に簡素化する工夫が凝らされている。
4K60P対応ワイヤレス映像伝送システム「Pyro Ultra」
映像伝送システムの「Pyro」ファミリーには、最上位モデルとなる「Pyro Ultra」が追加された。
「Pyro Ultra」は、HDMI経由での4K60fps伝送に対応。従来のPyroシリーズが4K30fpsであったのに対し、画質が大幅に向上している。また、受信機の接続台数に制限がなく、無制限にペアリングできる点も大きな特徴である(従来モデルは最大4台)。
伝送距離も大幅に強化され、従来モデルの約400mに対し、「Pyro Ultra」は最大1.5kmまでの長距離伝送を実現。遅延も約25ミリ秒以下に抑えられている。
さらに、自動で最適な周波数に切り替わるオート周波数ホッピング機能も搭載されており、電波環境が不安定な状況でも、コマ落ちすることなく安定した映像伝送を維持する。接続性と安定性が格段に向上した、まさにプロフェッショナル向けの高性能モデルである。