北陸放送機器展のHOVERAirブースにおいて、手軽さと安全性を追求した空撮ドローンが来場者の注目を集めた。展示されたのは、99gの軽量モデル「HOVERAir Smart」と、より高性能な「HOVERAir X1 PRO」、「HOVERAir X1 PRO MAX」の3機種である。

中でも特に注目を集めたのが、重量99gの「HOVERAir Smart」である。このモデルは、日本の航空法で100g未満の機体に適用される規制に対応して開発された。国土交通省への機体登録が不要なため、購入後すぐに誰でも気軽に空撮を始められる点が大きな特長だ。ただし、100g未満であっても小型無人機に分類されるため、空港周辺や国の重要施設上空など、法律で定められた区域での飛行は禁止されている。

安全性への配慮も本機の大きな特長である。プロペラがフレームで完全に覆われており、人や物への接触リスクを低減している。この安全性の高さから、場所によっては特例として飛行が許可される場合もあるという。

操作は極めて直感的だ。手のひらに乗せた状態からボタン一つで離陸し、自動で安定したホバリングに移行する。ホバリングモード中は、内蔵カメラが人の顔を認識して自動で追尾。撮影を終える際は、機体の下に手のひらをかざすだけで安全に着陸する。この手軽さと親しみやすさから、一部の愛好家の間ではペットのように呼ばれることもあるという。

ラインナップには、より本格的な撮影を求めるユーザー向けのモデルも用意されている。「HOVERAir X1 PRO」は4K60fpsの撮影に対応し、「HOVERAir X1 PRO MAX」は1/1.3インチCMOSセンサーを搭載することで、8Kという超高解像度の映像記録を実現する。これら100g以上のモデルは、使用前に国土交通省への機体登録が必要となる。

HOVERAirのドローンは、本格的な撮影を可能にする高性能モデルから、法規制に対応し誰でも手軽に始められるモデルまで、幅広い選択肢を提供する。特に99gの「HOVERAir Smart」は、その手軽さと安全性により、ドローン活用の裾野をさらに広げる可能性を秘めている。