北陸放送機器展2025におけるプロ機材ドットコムのブースは、前年から展示内容を大きく変更した。2024年の同展では、BIRTV(北京国際放送映画テレビ機材展)で注目されたレンズや雲台、ジンバルといった製品を中心に構成し、多くの来場者の関心を集めた。しかし今年は、それらの製品群から主軸を移し、新たなコンセプトに基づいた製品を前面に押し出した展示となっていた。

中でも特に注目を集めていたのが、Saramonic社のワイヤレスタイムコードジェネレーター「TC-NEO」と、それと連携するワイヤレスマイクシステム「K9」である。

TC-NEOは、かつてのポケットベルを彷彿とさせる小型の筐体に、交換可能なカラフルなシリコンカバーが付属するのが特徴だ。このジェネレーターをカメラ側に取り付け、タイムコードが内蔵されたワイヤレスマイクK9と同期させることで、編集時に映像と音声の同期を容易に行える。これにより、従来のカチンコ(クラッパーボード)などを使用する手間を省くことができる。また、TC-NEOは他社製品との互換性も有しており、Saramonicが各社製品に対応したケーブルを単体で販売している点も、システムの拡張性を高めている。

ワイヤレスタイムコードジェネレーター「TC-NEO」にすぐにグループを認識できるカラフルな保護ケースを搭載したところ

ワイヤレスマイクシステムK9は、ラベリアマイクの耐久性に大きな特徴がある。接続端子には3.5mmプラグを採用し、ケーブルは非常に高い強度を持つ。会場では、ケーブルでバーベルを持ち上げたり、泥水のような液体に浸しても問題なく使用できるといった、防塵防滴性能と堅牢性を示すデモンストレーションも紹介された。これは、ケーブルの柔軟性を重視するLEMOコネクタ採用のプロ向けマイクとは異なるアプローチであり、過酷な撮影環境下での信頼性を重視した設計思想がうかがえる。

ワイヤレスオーディオシステム「K9」

なお、海外仕様のカタログに記載されている周波数帯(550-960MHz)やRFパワーについては、日本国内で販売される製品は電波法に準拠した仕様(RFパワー10mW)に変更されるとの補足があった。