北陸放送機器展のBlackmagic Designブースでは、2025年のNAB(全米放送事業者協会展)で発表された新製品を中心に、最新のソリューションが披露された。
ブースで特に注目を集めていたのが、ネットワークストレージ(NAS)の「Blackmagic Cloud Store」である。本機は4つの10Gbイーサネットポートを搭載し、ネットワークを介した複数人でのデータ共有を可能にする。内部ストレージにハードディスクではなくM.2 SSDを採用している点が大きな特徴であり、これにより極めて高速なデータの読み書きが実現されている。容量は20TB、80TB、320TBの3種類が用意されており、同社のクラウドストレージサービスと連携してデータをミラーリングする機能も備える。

また、小型のラックマウント12G-SDIルーター「Blackmagic Videohub Mini 6×2 12G」も展示された。これは既存のVideohubシリーズに新たに追加されたモデルで、フロントパネルに「エマージェンシー入力」と名付けられたSDI入力端子を備えている。通常は背面の端子に入力された映像が使用されるが、緊急時にはフロントパネルのコネクターに接続した映像が優先的に出力される仕組みとなっている。これにより、突発的な事態にも迅速な対応が可能となる。


2025年だけで21ものハードウェア製品を発表するなど、近年急速に製品ラインナップを拡大している同社。今回の展示は、ネットワークを活用した効率的なワークフローや、現場の利便性を高める最新のソリューションを提案するものとなった。