Inter BEE 2025のYC Onionブースにおいて、同社の提携企業であるSongRAW製の大口径単焦点レンズが展示された。今回紹介されたレンズはMoonlitシリーズ「50mm F1.2」および「85mm F1.2」の2種類であり、いずれも35mmフルサイズセンサーに対応している。対応マウントとしては、ニコンZマウントとソニーEマウントの2種類がラインアップされている。

展示されたソニーEマウント用の50mm F1.2の鏡筒には、オートフォーカスの切り替えスイッチに加え、ユーザーが機能を設定できるカスタムボタンが搭載されている。特徴的な機能として、絞りリングのクリック感の有無を選択できるスイッチが設けられており、動画撮影時などスムーズな操作が求められる場面と、静止画撮影でクリック感を必要とする場面とで使い分けることが可能だ。また、鏡筒にはファームウェアのアップデートに使用するUSB-C端子が備わっている。

本製品の最大の特徴として、コストパフォーマンスの高さが挙げられる。開放F値1.2という極めて明るいスペックを持ち、大きなボケ味を生かした表現が可能でありながら、導入しやすい価格帯を実現しているという。画質面においても、ゴーストやフレアへの耐性を高める設計が施されており、逆光などの厳しい条件下でも安定した描写が期待できる。

併せて展示されたニコンZマウント用の50mm F1.2は、ソニー用と外観やボタン配置はほぼ共通しているものの、筐体の材質には若干の違いが見られる。また設計上の相違点として、ファームウェア更新用の端子の位置が異なっており、ニコン用ではマウント部分に配置されている点が特徴だ。

製品の展開状況について、ソニーEマウント用の50mm F1.2はすでに市場での販売が行われているが、ニコンZマウント用に関しては翌月の発売が予定されている。一方、85mm F1.2に関しては現状では開発中の参考展示という位置づけであり、今後の正式なアナウンスが待たれる状況である。