Inter BEE 2025の会場において、株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスがブースを出展し、「色」の技術を活かしたバーチャルプロダクション撮影のデモンストレーション「VIRTUAL PRODUCTION SERVICE」を行った。同社のバーチャルプロダクションスーパーバイザーである酒井教援氏が解説を行い、LEDウォールを使用した撮影特有の課題を解決するカラーマネジメント技術の実演が披露された(会場の環境により、差が分かりにくくなっております。あらかじめご了承ください)。
同社は自社スタジオを保有していないものの、ソフトウェアと技術力を駆使した撮影支援サービスに注力している。今回の展示で焦点が当てられたのは、LEDディスプレイに表示された映像を肉眼で見た場合と、カメラを通して撮影した場合に生じる「色の差異」である。通常、この色ズレは撮影後のカラーコレクションで調整されることが多いが、同社は独自のカラーマネジメント技術を用いることで、撮影段階からこの差異を正確に補正および変換する手法を提示した。
デモンストレーションでは、補正前の状態とキャリブレーションを実施した後の映像が比較され、調整を行うことでカメラスルーの映像が肉眼での見た目とほぼ一致する様子が示された。この基礎的な整合性を確保した上で、さらに専門のカラーグレーダーが演出意図に合わせた補正を加えることにより、背景となるLED映像と手前の被写体が違和感なく馴染む高品質な合成が可能になるという。

また、撮影現場でのリアルタイムな画作りを支援する「オンセットグレーディング」のワークフローも紹介された。これはカメラからの出力映像に対し、その場でルック(色調)を適用してグレーディングを行うものである。会場に設置されたマスターモニターでは、ノーマルの映像に演出効果を加えた状態が映し出され、現場で最終的な仕上がりイメージを確認しながら調整できる利点が強調された。今回の展示は、こうしたカラーマネジメントとオンセットグレーディングを組み合わせることで、バーチャルプロダクションの映像品質と制作効率を向上させる同社の技術力を訴求する内容となっていた。
