Inter BEE 2025のPortkeysブースにおいて、映像制作者向けの新型オンカメラモニター2機種が展示された。主力製品として紹介されたのは、強力なワイヤレスカメラコントロール機能を搭載した7インチモデル「LS7P」だ。

本製品の筐体はオールアルミニウム製で、軽量でありながら堅牢な設計となっており、過酷な撮影環境下での使用にも耐えうる仕様となっている。ディスプレイは1920×1080の解像度を備え、最大輝度は1000nits、コントラスト比は1000対1を実現している。パネルは10ビット(8+2 FRC)駆動を採用し、工場出荷時に全て色補正が行われているため、直射日光下の屋外から光量の少ないスタジオまで、環境を問わず信頼性の高いモニタリングが可能である。

LS7Pの機能面における最大の特徴として、独自の露出ツール「Log Stops」が導入された点が挙げられる。これは従来の一般的なフォールスカラー機能とは異なり、カメラの実際のストップデータ(ダイナミックレンジの段数)に基づいた表示を行うものである。使用するカメラブランドやピクチャープロファイルに関係なく、入力されたLOG信号を自動的に識別し、露出レベルを複数のゾーンに分割して表示する。ユーザーは必要に応じて、これらの情報をフォールスカラーまたはゼブラパターンで表示させることが可能だ。発売時点においてLOG信号の自動認識機能はソニー製カメラのみの対応となっているが、今後の無料ファームウェアアップデートを通じて、他社製カメラへのサポートも順次拡大される予定である。

また、LS7Pは多機能なワイヤレスカメラコントロールシステムを備えており、ARRI、RED、Blackmagic Design、キヤノン、ソニー、パナソニックといった主要メーカーのカメラ操作に対応している。具体的にはソニーのFX3、FX30、FX6や、キヤノンのEOS C80、C400などの人気機種がサポート対象に含まれる。モニターのタッチスクリーンを介して、絞り、シャッタースピード、ISO感度、NDフィルター、ホワイトバランスなどの主要な設定を直接調整することが可能であり、撮影現場でのワークフロー効率化に寄与する設計となっている。

併せて展示された「LH5C」は、有線カメラコントロールに対応した最新の5.4インチモニターである。専用のCAMERA REMOTEインターフェースを搭載しており、マイクロUSB、ミニUSB、USB-C、またはLANC制御ケーブルを介することで、プロフェッショナルな有線制御を実現する。ブースではソニーのFX3との接続デモンストレーションが行われ、タッチスクリーン上でフォーカスポイントを直接選択・移動させるタッチフォーカス機能などが実演された。