Cine Gear Expo LA 2026のGodoxブースで注目したのは、フルスペクトルカラーエンジン「PaletteLab」だ。NAB 2026で発表された技術だが、現地会場でその実力をじっくりと確認してきた。今回の目玉は、この最新エンジンを搭載した「KNOWLEDシリーズ」および「SLシリーズ」「MLシリーズ」の展開にある。
この技術を一言で表現するなら、太陽光のスペクトルに極限まで近づけた「色の再現性」に尽きる。カタログに記載された「Lab」という名称が示す通り、色評価基準に基づき、自然界に存在する30色をいかに忠実に再現するかを追求しているのが特徴だ。
一般的なLEDは太陽光と比較するとスペクトルの波形に凹凸があり、特定の色が不足しがちとなる。しかし、このエンジンは不足している色を分析して補正する仕組みを採用した。他社が6色や8色のLED素子を組み合わせるアプローチを取る一方で、Godoxは「欠落した波長を補完する」という独自のスタンスで開発を進めている。
その結果、TM-30のRf値で97、CRIのR9値で99という極めて高い数値をマークし、太陽光に近い光質を実現した。評価グラフが描く美しい円形は、忠実な色再現が行われている証左であり、その精度の高さがうかがえる。会場に並ぶ実機群からは、単なる光量の追求に留まらない、光の「質」に対するメーカーの強いこだわりが伝わってくる。
さらに印象的だったのは、この高性能エンジンが大型機種だけでなく、手のひらサイズの小型ライトにも惜しみなく投入されている点だ。これまではハイエンド照明でしか得られなかった質の高い光を、機材のサイズを問わず選択できる。ユーザーの選択肢を広げる実用性の高い展開と言えるだろう。
今後は大出力モデルも順次追加される見込みだ。日本国内での取り扱いはKPIが独占代理店を務める。具体的な価格はまだ明かされていないが、このクラスの光が全ラインアップで手に入るようになることは、現場のクリエイターにとって大きな変化となる。今後のライティング機材の基準を左右する存在になると予想される。