Cine Gear Expo LA 2026のKIPONブースでまず注目したのは、未発表の新型NDアダプターである。PLマウントレンズをE、RF、Lマウントへ変換するこのアダプターには可変NDフィルターが内蔵されており、フィルターホルダーは日本で設計・製造されている。

さらにバックフォーカスの微調整機構を備えている点も特徴の一つだ。フィルター挿入によって生じるバックフォーカスの変化をユーザー自身で調整でき、その位置を固定するロック機構も備える。フィルター濃度の異なるバリエーションも用意される予定であり、撮影現場での運用を前提とした設計となっていた。

KIPONブースでは、中判レンズを活用した取り組みも数多く展示されていた。中でも目を引いたのが、マミヤレンズをベースとしたリハウジングモデルである。近年再評価が進む写真用中判レンズを、シネマ撮影向けに再構成したプロジェクトだ。

このレンズはKIPON単独ではなく、BUFF Opticsとの共同プロジェクトとして開発されている。単なるマウント変換ではなく、フォーカスギアや操作系を含めてシネマ用途に最適化したリハウジングが施されており、中判レンズの描写性能を現代の撮影環境で活用できるようになっている。
同様の方向性として展示されていたのが、ペンタックス67用レンズのリハウジングプロジェクトである。こちらは現在、日本国内で開発および組み立てが進められている。

スタッフによれば、「日本はシネレンズを製造するのに最も適した国である」という考えのもと、国内拠点で精密な組み上げを行っているという。展示されていたのはシリーズ化を予定するラインアップの一部で、マウントにはLPLを採用していた。
筐体は複雑な内部機構を備えた構造となっており、外装を含め細部まで作り込まれている。中判レンズの描写性能を現代のシネマ制作で活用することを目的としており、日本国内での生産体制を前提に開発が進められている。
さらに、中判レンズ活用の発展形として紹介されていたのが、0.62倍のレデューサーを組み合わせるシステムである。中判レンズの広いイメージサークルを縮小しながら光量を増加させることで、大型センサーとの組み合わせを可能にする。
KIPONブースでは、アダプター開発からリハウジング、大型センサー対応までを一連の取り組みとして展示していた。既存の光学資産を現代の撮影環境へ適応させるという共通した開発方針が、展示全体を通じて見えてきた。