晴天にも恵まれいよいよ開幕となったInterBEE2008会場にも多くの人が集まり始めている。
今年の出展は781社・団体となり、過去最多となった。展示ホールは、昨年と同様に、海側の2ホールから8ホールまでを使用し、1,968小間、47,250m2という規模になっている。
例年通り、民間放送事業者連盟が主催する民放技術報告会と日本エレクトロニクスショー協会が主催するInter BEE Forumが、Inter BEE会期と同じく3日間にわたって行われるほか、今年は19日にNAB日本代表事務所が主催するNAB東京セッションもイベントホールで実施される。2011年7月のアナログ放送停波以降を見据えた、放送技術やビジネスモデルのディスカッションがなされる。
会場内に目を向けると、昨今の経済状態を反映するかのように、各社ともブース面積は縮小気味なのに気付く。しかし、デジタル放送完全移行に向けて、次世代制作環境の構築に向けた最新機器が揃った。今年は特に、テープ収録環境からテープレス収録への移行が図られた。ノンリニア編集環境においても、AVCHDやパナソニックのAVC-IntraといったH.264ベースの重たい処理を要するカメラコーデックへの対応が加速している。処理速度はまだまだ十分なものとは言えないが、マシン性能の向上を越えるコーデック処理が可能になってきたことは、この1年の大きな進化だろう。
収録がファイルベースとなったことで、制作ワークフローにおいて、メディアマネジメントの重要性が増してきていることが認知され始めている。収録したファイルのメタ情報の活用はもちろん、キー局とローカル局間における映像ファイルの伝送をどうするのか、制作後・送出後のアーカイブをどうするのかといった、制作から送出・保存までフルデジタルワークフローをどう構築するのか。これまではキー局・準キー局が中心となってワークフローを構築してきたが、ようやく地方ローカル局も含めて、日本全体で制作ワークフローを本格的に検討していく段階に目が向き始めたと言えそうだ。