アナログSD時代の測定器といえば、波形モニター、ベクトルスコープ、ピクチャーモニターが3種の神器のような扱いだったが、HD-SDIなどデジタル信号が一般化するにつれ、こうした単機能の測定器を並べて測定する時代は終焉を迎えたようだ。制作で使われる測定器は、複合化するだけでなく、デジタル伝送系の測定やアナライズ機能などが盛り込まれ、多機能化している。アナログ時代はシンクのタイミングやカラーの位相調整などは、ポストプロダクションなどで日常的に行われていた重要な業務の一つであったが、デジタル化はこうした業務から開放され、測定器の使われ方もだいぶ変わってきたようだ。
測定器は小型軽量化され、以前より撮影現場で使われることも多くなった。以前は、ポストプロダクションで使われる測定器も撮影現場で使われる測定器もほとんど区別なく同様な物が使われていたが、見るべき部分が異なったり、操作性などの面で測定器の棲み分けの時代に入ってきたようだ。
リーダー電子
LV 7330は、WXGAまたはXGA対応の外付けディスプーに接続することで、HD-SDI、SD-SDI信号のピクチャー表示、ビデオ信号波形表示、ベクトル表示、オーディオ表示のほか、ステータス表示では、SDI信号のエラー検出や解析機能、エラー検出機能、イベントログ機能、データダンプ機能、パケット解析表示などのデータ解析が可能。輝度情報解析に便利なシネライトⅡも標準装備している。
マルチモニターLV 5800は、SDI入力、アイパターンユニット、コンポジットビデオ入力、MPEG デコーダー、DVI-I出力ユニット、アナログコンポーネント出力、ディジタルオーディオなどの各種入出力ユニットを自由に構成することで、様々な入出力に対応可能。今回新たに3G-SDI入力が加わったほか、SDIの色分布をx-y座標色度図上に表示する機能やヒストグラム表示機能が追加された。
マルチラスタライザー LV 7800。HD-SDI信号の観測のほかコンポジット信号やMPEG2-TS 信号の観測など、各種オプションボードの組み合わせで実現。DVI-I出力を装備しており、6:9(1366768)または1:9(1280768)ワイドモニターに表示することができる。
テクトロニクス
高機能波形モニターWFM8300は、3G-SDI、Dual link-SDI、HD/SD-SDIからアナログまで幅広いビデオ信号をサポートすることができるマルチフォーマット対応波形モニター。3G-SDIのEyeパラメーター測定やジッタ測定が可能。
IPビデオモニターIPM400A は、ギガビットイーサネット上のトランスファーストリームをリアルタイムにモニタリングすることが可能で、リモート監視機能により拠点に配置された複数のIPM400Aの測定結果を中央で監視することができる。また、バックホールによりモニター地点の画像・音声も集中監視可能。IPM400Aをモニタリングプローブとして使用する監視ソフトウェアVQNetも出展された。
アストロデザイン
3G-SDIに対応したHDTV/SDTVシンクジェネレータSG-7811。3値HD、NTSC、PALに対応、エンベデッドオーディオとHD-SDIおよび3Gの信号発生のほか、フロントパネル面のUSB端子からユーザーが制作したロゴやパターンを取り込むことが可能
ローデシュワルツ
TVアナライザー R&S ETLは、各種デジタルおよびアナログTV規格に対応するTVレシーバとスペクトラムアナライザを一体化したコンパクトなTVテスト測定器で、MPEG2 TS解析機能を搭載することで、デジタル放送波を復調し、放送TSの解析、ピクチャー表示などが行える。送信機や、CATVのヘッドエンドの設置、メンテナンスのほか、TV信号発生器R&S SFEと組み合わせて、再送信設備の校正・メンテナンスを行うことも可能。
テクノハウス
Videotek社のマルチフォーマットHD/SD-SDIビデオ・オーディオシグナルアナライザーTVM-950HD。波形、ベクター、ガマット、オーディオ、ピクチャー、タイミング表示のほかデータアナライザー機能などを装備している。オプションで、ジッターディスプレイ付デュアルHD/SDアイパターン、デュアルHD/SD-SDI、アナログコンポジットインプットなどが用意されている。
シバソク
テスト信号発生器TG3000シリーズ。テストパターン、自然画に対して16レイヤーのイメージ画像を生成することができるほか、スクロール、レベル可変、透明度、なども可変できる。また、動画出力機能を装備しており、静止画評価から動画評価まで幅広い用途で使用可能。アナログ、HDMI Ver1,4、DVI、LVDS、HD-SDIなど拡張インターフェースで柔軟に対応できる。
ブラックマジックデザイン
PCベースの波形モニターBlackmagic UltraScope。PCI Expressカードとソフトウェアをパッケージした製品で、RGB/YUV成分、ピクチャを含む6つの波形を同時に表示する事ができる。6つのスコープは、全て同時に更新されるようになっており、24インチ液晶ディスプレーで利用する事を想定して設計されている。価格は、¥74,980。
http://www.blackmagic-design.com/jp/アイ・ディ・ケイ
参考出品されたHD/SD-SDIパターンジェネレーターPGS-01。カラーバー、グレースケール、グラデーションなど45パターンの信号を発生できるジェネレーターで、1080p/1080i/720pのHD-SDI、NTSC/PALのSD-SDI出力に対応している。2分配出力補償付きでHD-SDIで最大150m、SD-SDIで最大300mまで対応可能。
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