ニュータイプ・カメラに注目してみる
いよいよ展示会も最終日を迎えた。2007年頃REDの出現によって第三勢力のカメラが世に現れた。NABshowは、放送機器展といえどもカメラだけの展示会ではなかったが、そのころからニュータイプ・カメラが多く見られる様になった。今回は、散見するこれらのカメラについて考えてみた。
すでにHDカメラはハンドヘルドから肩乗せ、中継用など様々な種類のものが出揃っている。HDでの撮影は当たり前で、その先を目指して各社が3Dや大判、ハイスピード、超小型カメラの発売を始めている。このジャンルは、ソニーやパナソニックといった大メーカーだけでなく中小零細メーカーも入り乱れている。
その昔、ビデオカメラはプランビコンなど撮像管を使っており、その撮像管を製造していた東芝や日立製作所などがビデオカメラのメーカーであった。肩載せ式の小型ビデオカメラが出現するようになり、池上通信機やソニーといった撮像素子を作っていないメーカーがビデオカメラの市場を独占するようになり、VTRとカメラが一体化するようになってからは、ソニーやパナソニックがその座を奪うことになる。
現在の状況はその時代に非常に似ており、ビデオカメラのメーカーが現在の勢力地図とまったく異なった図式になるかもしれない分岐点に立っているといえよう。今回の展示会ではGoProのようなトイカメラ由来の製品やカメラとは無縁のメーカーだったREDあたりが大きなブースを構え、そのジャンルを確立している。
一方現在メジャーといえるソニーやパナソニックもそれらに対抗できる商品を開発しているが後手に回っている感は否めない。VTRという呪縛から解き放たれた今、どこが主導権をとってもおかしくない状況にあるといえるだろう。
ARRI ALEXA M。カメラヘッドと本体を分離したタイプ。IBCで発表されたもので、3Dリグへの装着などヘッド部が小型なので様々な撮影に対応可能
5kのイメージセンサーを搭載したRED Digital Cinema Epic。デジタルシネマの新境地を築いたRED ONEの2機種目のモデル
スーパー35mm相当のセンサーを搭載したソニーNEX-FS100。形状も含めいわゆるビデオカメラとは異なるコンセプトのカメラだ
小型かつ全天候型のウェアラブルHDビデオカメラContourHD
オリンパス ハイスピードカメラiSPEED3。いくつかのモデルが用意されているが写真のモデルは最大150,000 fpsの撮影が可能
megaspeed のハイスピードカメラMS30K。25 から1000 fpsでの撮影が可能。イーサネットケーブルでPCと接続して使用。
ナックイメージテクノロジーとNHKが共同開発したハイスピードカメラHi-Motion。CMOS3板式で600pの撮影が可能
民生用として発売されている小型3DカメラGS-TD1の業務用バージョン ビクターGY-HMZ1。
月明かり程度の明るさでもカラーで撮影することができるフローベルの超高感度カメラEM-120H