デジタル一眼カメラによる映像制作はひと段落ついた感じがあったがここにきて、4K対応のカメラとして、ソニーのフラッグシップモデルカメラα99 IIや、キヤノンのフラッグシップモデルEOS-1D X Mark IIおよびEOS 5D Mark IVが発表・発売になっているほか、富士フイルムX-T2なども発表されている。すでに4K対応の民生用テレビが発売になっていることもあり、視聴できる環境が整ったということもあるだろう。
また、放送用のカメラはすでにソニーのHDC-4300のほか、スローモーション対応のHDC-4800、グラスバレーのLDX 86N、池上通信機のUHK-430、日立SK-UHD4000などが発売されている。HDC-4800以外は2/3型レンズが装着可能なカメラとなっており、ハンディカメラや中継・スタジオカメラとして使用できるようになっている。
アストロデザインや池上通信機、日立などのNHK技研と共同開発をしていたメーカーは8Kのカメラを今まで参考出品したり新製品として発表してきたが、デジタルシネマ系のカメラもパナビジョン8KデジタルシネマカメラシステムDXLを発表したり、REDからもWEAPON HELIUM 8Kが登場している。一般家庭やテレビ放送が4Kになってきた以上差別化する意味でも当然の成り行きといえよう。
ほかにもソニーのUMC-S3Cや池上通信機のHDL-F3000、AJAのRovoCamといったボックスカメラ、NABで発表されていたパナソニックの小型ビデオカメラAG-UX180/UX90、キヤノンのXC15、EOS C700などもあるほか、GoPro Hero5や、ソニーアクションカムFDR-X3000などスポーツ系のカメラも4K対応として発表されている。
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Blackmagic Design (ブース#8216) |
NABで発表された撮影機材関係の新製品は、いくつかのアップデートが行われた。Blackmagic URSAのCamera 4.0パブリックベータ2により、EFレンズでのイメージスタビライズの新しいサポート、フォーカスアシストのしきい値やSIGMA EFレンズのサポートが改善され、Blackmagic URSA MiniのCamera 4.0パブリックベータではホワイトバランスのカスタマイズとプリセット、ティントコントロール設定、フォルスカラー露出ツールが追加された。またBlackmagic Production Camera 4KのCamera 3.4アップデートではSDI収録トリガーやカメラのタイムコードをSDI経由で出力可能になった。今年のIBCではFairlight社とUltimatte社の買収を発表。Fairlight社はオーディオミキシングコンソールなどで有名だが、一時期はイベント用のビデオエフェクターなどを手掛けていたこともあった。Ultimatte社はクロマキー装置のメーカーとしてアナログ時代から定評のあるメーカーだ。今回のInterBEEではこうした会社の製品とのコラボレーションは時期早尚だろうが、今後の展開が楽しみだ。
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キヤノン / キヤノンマーケティングジャパン (ブース#7306) |
キヤノンで最も注目されるのは4K60p撮影に対応したEOS C700だろう。最大15Stopの広ダイナミックレンジでデュアルピクセルCMOS AFを搭載。さらに、Codex社との協業でCANON Cinema RAW RMF対応のレコーダーCDX-36150をビルトインすることができる。このレコーダーとの組み合わせで最大120pの4K RAWを記録することができる。ほかにもフラッグシップモデルのEOS-1D X Mark IIおよびEOS 5D Mark IV、小型カメラXC15のほか、PLマウントレンズや放送用B4マウントレンズなどが披露される。
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ナックイメージテクノロジー / カールツァイス (ブース#7416) |
カールツァイスといえばデジタルシネマ用のレンズとして定番ともいえるレンズだが、新たにスーパー35mmフォーマットのズームレンズZeiss Lightweight Zoom LWZ.3 21-100mm/T2.9-3.9 T*が発表になった。また、独特なデザインのZEISS Milvus 2.8/15やMilvus 2.8/18、Milvus 2/135といった15mm、18mm、135mmの単焦点レンズ3本が出品される。なお、ナック取り扱いレンズのアンジェニューからは、後玉を交換することによりスーパー35mmとフルフレーム/ビスタビジョンのどちらのフォーマットのカメラにも使うことができるズームレンズAngenieux Type EZシリーズのズームレンズEZ-1およびEZ-2の2本も出品される模様だ。
富士フイルムは4K対応のシネマカメラ用レンズFUJINON XK6×20や、放送用レンズの新製品を展示。いずれもNABで発表になったものである。デジタルシネマ用のレンズはすでに広角ズームや望遠ズーム、標準ズームがラインナップされているが新たに20-120mm T3.5でズーム比6倍のXK 4K Premier Cabrio Series XK6x20、中継用4K Plus Premierシリーズとしてズーム比80倍のUA80x9 1.2EXTとズーム比107倍のUA107x8.4BE、ENG用の4K Plus Premierシリーズとしてズーム比13倍のUA13x4.5BEなどが加わった。また、Photokinaで発表となったXシリーズ初の4K動画撮影に対応ミラーレスデジタルカメラX-T2にも注目したい。
NABで8K対応のカメラを発表したが、IBCで新たに29.90×15.77mmのスーパー35mmセンサーを搭載したWEAPON HELIUM 8Kを発表している。8192×4320の8Kで60fps、8192×3456の8K(アスペクト比2.4:1)で75fpsの撮影が可能。ほかにも3Kや5Kといったモードもあるが、HDで最大300fpsの撮影に対応するという。今までのRED DRAGONセンサーとは異なり、新たにHELIUMを搭載し、センサーのダイナミックレンジは16.5Stopsとなっている。
デジタル一眼カメラで動画撮影を行う場合に便利な撮影アクセサリーがそろうのが銀一だ。大小さまざまなラインナップのSteadicamのほか、ハンディタイプの撮影用リグCamCaddie、タイムラプス/モーションコントローラーSyrpなどがある。またデジタルシネマ撮影では欠かせないChrozsielのマットボックスやフォローフォーカスシステム、TIFFENのフィルター、RØDEのマイクロホンなど。また、GoPro用のカメラスタビライザーやiPhone用のカメラスタビライザーなどもそろっている。
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パナソニック / パナソニックシステムネットワークス (ブース#6213) |
パナソニックは小型ビデオカメラAG-UX180/UX90、一回り小型になったデジタルシネマカメラVARICAM LTといった4K対応製品、4KマルチパーパスカメラAK-UB300や4KスタジオハンディカメラAK-UC3000、HDスタジオハンディカメラAK-HC5000などの新製品を展示。
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ケンコープロフェショナルイメージング / ケンコー・トキナー / スリック (ブース#5310) |
コストパフォーマンスが高いPL/キヤノンEFマウントのTokina CINEMA LENSシリーズは50-135mm T3、16-28mm T3、11-16mmT3がラインナップされていたが、新たにPL、キヤノンEF、ニコンF、ソニーE、マイクロフォーサーズマウントのマクロレンズTokina Cinema 100mmT2.9が加わった。なお、デジタル一眼レフ動画撮影用に開発したVレンズシリーズとしてキヤノンEFマウントのAT-X116PRO DX V11-16mm F2.8、AT-X12-28 PRO DX V 12-28mmF4、AT-X107 DX V 10-17mmF3.5-4.5、AT-X17-35F4 PRO FX V 17-35mmF4があり、キヤノンはもちろんのことEFマウントを採用しているブラックマジックデザインのカメラなどと価格的にも最適なレンズといえる。同社は毎年のようにデジタルシネマ系のこうしたレンズを出しているので、今年も期待したい。
JVCケンウッドは、レンズ交換可能な小型ビデオカメラGY-LS3000CHやカメラとコントローラー分離型のGW-SP100といった4Kカメラを発売しているほか、新製品として動作やフォームなどの映像分析を取り入れたHD対応のスポーツコーチングカメラシステムGC-LJ25など、ちょっと毛色の変わったカメラをラインナップしている。HDカメラとして、GY-HM620やネットワーク対応のGY-HM660がある。GY-LS300CHは昨年発売されたモデルだが、5月にファームウェアアップデートVersion3.0が公開され、ハイスピード撮影機能追加やハイスピード撮影時と同じ画角となるバリアブルスキャンマッピング設定値(46%)追加、バリアブルゲイン機能などが追加された。
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ソニー / ソニービジネスソリューション (ブース#4406) |
ソニーは、昨年発売となった2/3型3板式4Kイメージセンサー搭載の4K/HD対応システムカメラHDC-4300のほか、スーパー35mm単板CMOSイメージセンサー搭載のスローモーション対応PLマウントカメラHDC-4800、フラッグシップのデジタル一眼カメラα99 II、35mmフルサイズExmorセンサーを採用した最高感度ISO409600の小型カメラUMC-S3C、アクションカムFDR-X3000など各種4K対応のカメラを出展する。ソニーはデジタルシネマ用のカメラCineAltaシリーズとしてF65があるもののいまだ8K対応のカメラを発表しておらず、今年あたりは期待したいところだ。
※掲載しているブース写真は過去に開催されたイベントのものです。