txt:小寺信良 構成:編集部
気になるBOSMAの8Kカメラとは
PRONEWS的には大注目のシャープ8Kビデオカメラだが、ここCESで発表されたのはそれだけではなかった。ベンチャー企業が多数出展するSands Expoにて、BOSMAという企業が8Kカメラを出展すると聞いて、早速出かけていった。
現在のBOSMAは米国にも拠点を持ち、スマートホーム関連の製品を数多くリリースしているが、元々は中国・広州にて双眼鏡や望遠鏡、ライフル用のスコープなどの光学製品トップブランドで、欧米向けにはOEMで設計製造してきた会社である。
今回出展された8Kカメラは、監視向けとしてとりあえず作ってみたという。センサーはシャープ製の8Kマイクロフォーサーズセンサーで、シャープが発表した8Kカメラに搭載されるのと同じもの。フレームレートは、4Kは120Pだが、8Kは30Pまで。
BOSMAの8Kカメラ
一方画像処理エンジンは中国HiSilicon製を採用。HiSiliconはHUAWEIの子会社で、同社製スマートフォンのKirinプロセッサを作っているメーカーである。
ボディ全長のうち半分はレンズで、残り半分がカメラ部
まだセンサーもチップもテストサンプルレベルで、これから細かいソフトウェアのアップデートを進めていくところだが、ハードウェアとしてはまとまったので作ってみたという。現在はHDMI2.0出力しかないため4Kで出力していたが、特に際立って照明もしていない会場を映してもノイズは感じられず、センサーや画像処理エンジンの素性はなかなか良さそうだ。
4K出力による表示。S/Nは悪くない
当初、スマートホームの延長から監視カメラ用途を考えていたが、出展してみたら意外に放送用の固定カメラや工場の検品用途で使えないかというリクエストがあったという。各用途向けはレンズバリエーションの話なので、元々光学メーカーであるBOSMAなら問題ないと胸を張る。
価格帯はまだ決定していないが、放送用8Kカメラの半額ぐらいを狙いたいという。今回発表されたシャープの8Kビデオカメラはプロシューマ向けで、それ以上になると放送用しかないため、その間を繋ぐカメラとしてのバリエーションを期待したいところだ。
txt:小寺信良 構成:編集部