txt:小寺信良 構成:編集部

会場の一つであるSands Expoの1階は、Vol.02でもお伝えしたが、スタートアップやベンンチャーが沢山集まった「Eureka Park」というエリアとなっている。まさに有象無象なベンチャーがギュウギュウになってしのぎを削り、来年まで生き残って成長すれば2階のもうちょっと大きな場所に移動できるわけだ。そんなるつぼのような場所だから、何か面白いものはないかと探し回る我々プレスにとっては、非常に無駄足を踏む可能性の高い場所だ。通称「砂金掘り」。小さな金を見つけるまで、果てしない量のベンチャーブースを掘ることになる。

これ一台で間に合うスグレモノ

そんな中、Video & Audioと題された小さなコーナーに面白い製品を見つけた。Yolo Livという中国系ベンチャーが開発するYolo Boxは、小型のストリーミング用ライブスタジオだ。

7インチタッチ式液晶モニターを備えており、一見するとよくあるHDMIレコーダに見えるが、実際にはライブスイッチャーに近い。フルHDまでのHDMI入力×2、USBストリーム入力×1を備え、事前にSDカードに収録した動画のポン出しもできる。加えてマイク入力も1系統備える。

スイッチング動作中の画面。ソースプレビューもできる

PinPのサイズや位置は画面タッチで操作

出力はHDMIのほかイーサネット端子とWi-Fiも備える。それに加えて4GのSIMスロットがあり、ストリーミングしたいサービスに直接モバイル回線を使ってネット放送が可能だ。対応サービスは現在のところ、YouTube Live、Facebook Live、Twich。モニタリング用のヘッドホン出力も備えている。

入力端子は上部

現在実装されている機能は、タッチ操作によるスイッチング、PinP、静止画グラフィックスのオーバーレイといったところ。スイッチング収録や字幕キャプション、スコアボードの挿入といった機能は、今後実装予定とされている。内蔵バッテリーでおよそ3時間動作できるほか、USB Type-Cで外部からの電源供給も可能。

底部にはSDカードスロットのほか、SIMカードスロットがある

実際に実機上で動作確認してみたが、動くとされている機能はちゃんと動くようだ。ただ価格については、初日は3,000ドルと言っていたが、最終日にもう一度確認したら、来場者に散々高いと言われたのか、1,000ドルになっていた。値段は決まってなかったのだろう(最終日は$999と…)。来月から米国Amazonで販売を開始するという。

商品パッケージ

実際日本のSIMで動くのかも検証が必要だろうが、もしちゃんと動けばモニターとして使えることもあり、現場からの2カメ中継には強力な武器となりそうだ。機材の安定性や技適の有無なども含め、最終市販品で慎重に仕様を確認したいところである。

txt:小寺信良 構成:編集部


Vol.07 [CES2019] Vol.09