キヤノンはデジタル一眼レフカメラとしてエントリークラスのKissシリーズがあり、ミラーレスカメラの参入には慎重だったが、2012年にMシリーズによりミラーレスカメラに参入。さらに昨年からEOS Kissシリーズが登場し、今年はフルサイズのミラーレスカメラとして「EOS RP」をブースの全面に出したブース構成になっていた。

カメラやレンズ、プリンター、アクセサリーを通したフォトライフを毎年提案しているが、コンセプトカメラとしてスポーツ観戦などで狙った被写体をすばやくアップできる2焦点レンズ搭載の「Multifunctional Telephoto Camera」や、パンやティルトをリモートできる監視カメラのような「Intelligent Compact Camera」、操作が簡単で丈夫なことも向けの「Kids Mission Camera」、遊び心を反映できる「Outdoor Activity Camera」が参考出展され、注目を集めていた。

また、同じコーナには自由視点映像生成システムも出展されており、タッチパネルディスプレイで指定することで視点を変えることができ、その場にいるような臨場感が体験できるようになっていた。

今回発表されたミラーレスカメラEOS RPは昨年発売されたEOS Rの姉妹機種で、EOS RPは2620万画素のフルサイズセンサーに対してEOS Rは3030万画素のフルサイズセンサーを搭載している。動画撮影機能もEOS RPは4K 25p/24pの動画機能に対しEOS Rは4K 30/25/24pの撮影に対応。また、EOS RPは4:2:2 8bitはHDMI出力対応で、EOS Rは4:2:2 10bitはHDMI出力が可能。記録ビットレートもEOS RPは4K 25p/24pで約120Mbps、EOS Rは4K 30p ALL-Iで約480Mbpsといった違いがある。

ミラーレスカメラEOS RP。EOS Rはハイアマチュアモデルに対しEOS RPはミドルクラスモデルという位置づけでEOS RPのほうが若干サイズが小さい。5000台限定ゴールドカラーモデルも登場

ゴールドカラーモデル発売と同時に東京2020オリンピック観戦チケットが当たるキャンペーンやキヤノン東京2020記念グッズプレゼント、対象レンズ購入者にキャッシュバックを実施

ミラーレスカメラEOS RPと対応新レンズ。EOS R発表以降4本のレンズがあったが今回6本のレンズが発表となりレンズラインナップが強化された

参考出品された新たなレンズは以下の通り

  • RF15-35mm F2.8 L IS USM
  • RF24-70mm F2.8 L IS USM
  • RF70-200mm F2.8 L IS USM
  • RF85mm F1.2 L USM
  • RF85mm F1.2 L USM DS
  • RF24-240mm F4-6.3 IS USM

Digital Photo ProfessionalはHDR PQに対応。Professional Print & LayoutはHDRプリントに対応したほか、DPRAWプリントにも対応。新機能デモとimage PROGRAF PROとの連携の実演がおこなわれていた

自由視点映像生成システムはInterBEE2017でも出展されていたので、記憶にある方も多いのではないだろうか。その後も2018年10月27日に日産スタジオで行われたラグビーのニュージーランド代表とオーストラリア代表の試合ブレディスローカップ2018で8Kカメラやネットワークカメラを用いた実証実験を行っており、画質の向上や処理速度の向上などのブラッシュアップが続けられている

自由視点映像生成システムによるタブレットタッチ&トライのコーナー。より現実的なシステムとなってきた

参考出展の新コンセプトカメラにはMultifunctional Telephoto Camera、Intelligent Compact Camera、Kids Mission Camera、Outdoor Activity Cameraの4機種が披露されていた

Multifunctional Telephoto Cameraは基本的には2焦点カメラで、ボタンを押すことで瞬時に狙った被写体を拡大(望遠)し撮影することが可能

Multifunctional Telephoto Cameraは実際に稼働できるタイプのほか、よりサイズの小さいモックが2点出展されていた

Intelligent Compact Cameraはパン/ティルト、ズームが可能な電動の監視カメラのような格好をしているが、ブレ補正機能や顔認識機能、好みの画角を学習し自動調節する機能などが搭載されている

Intelligent Compact Cameraは室内だけでなくアウトドアでも使用も提案されており、カメラは防塵防滴機構になっている。写真のようにショルダーストラップなどに取り付けての使用も提案されていた

Outdoor Activity Cameraはファインダーなどはなくカメラとしてシンプルな機能のみとなっているが、防塵防滴や堅牢性などで今までのカメラとは違った使い方を可能としている。キーホルダーやナップザックにぶら下げるなど、ユーザー自身が楽しんで使える遊び心のあるカメラとなっている

Outdoor Activity Cameraはパネル面がマグネットで着脱可能で、様々なデザインのパネルを交換可能。他にもプロテクター(写真右のオレンジのもの)のほかフィルターやコンバージョンレンズなども対応可能

Kids Mission Cameraは子供が使いやすい大きさやデザインを採用しており、赤いものを探してみようや、猫の気持ちになってみよう、お母さんからお題が届いたよなど撮影するきっかけを子供に与えて想像力を掻き立てる事をコンセプトににしたもの。拡大や望遠などアクセサリーを考えれば夏休みの自由研究などにも使えそうだ

Kids Mission Cameraは撮影した写真を同社のスマホプリンターiNSPiCで出力することができ、ライブラリー化や撮影した写真の整理なども想定されている