txt・構成:編集部
クラウド上のVideo/Audioスイッチャー「Cloud Video Switcher」
ソリトンシステムズは、主に3つのソリューションを展示。1つ目が、クラウド上のVideo/Audioスイッチャー「Cloud Video Switcher」。通常の映像切替は、物理的なスイッチャーを使って切り替えを行うのが一般的だが、Cloud Video Switcherはすべての操作をクラウドで行うことが可能。物理的な機材を用意する必要がなく、IP系の映像をクラウドに取り込んで、ブラウザのUIから切り替えられるのが特徴だ。そのままYouTubeやFacebook Liveに配信したり、RTMP、RTSPのプロトコルにも対応する。
また、事前に準備をしたムービーや、JPEGの画像イメージ、オーディオのファイルを入れてオーディオミキシング、テキストの機能で「ライブ配信中」のようなテロップを入れることも可能。ウォーターマークにも対応し、企業ロゴなどを入れたいときにも使える。
Cloud Video Switcherは、週末のイベントで、4~5カメの入力をすべてクラウドに取り込んで、映像の知識がないオペレーターでもブラウザのUIから切り替えるといった使い方が可能。そのままYouTubeに配信したり、イベント会場などのパブリックビューイングで配信が可能とのことだ。
画面左下に注目。最大6入力に対応し、切り替えが可能
画面左下で、テキストを設定。「live配信中」という文字を設定して、映像左下に重ねることができる
画面左下で、ウォーターマークを設定。企業のロゴマークを映像に重ねるのに使われる
中継映像や送信機の位置情報を複数拠点で閲覧する情報共有ソリューション「Zao Cloud View」
2つ目が、映像配信クラウドサービス「Zao Cloud View」だ。Zaoからの画やZao-Sからの映像はこれまで1対1で確認していたが、Zao Cloud Viewを使うことで複数同時や複数の拠点から同時に確認することが可能になる。過去の映像もすべてアーカイブで溜めることが可能。GPSの情報と連動できるので、歩いた位置などの軌跡が辿れる。
これまでの事例としては、複数拠点でドローンを飛ばし、そのドローンの映像を一箇所(本部みたいなところ)で同時に画の確認を行う際に使用され、「もうちょっとこっちの画がほしい」など、画を見て指示を出す用途で使われているという。また、一斉に数拠点の画を確認する需要があり、監視警備などにも需要が高いとのこと。
入力された映像はZao Cloud Viewで一覧できる
GPSと連動が可能で、入力された映像の移動した位置情報を視覚的に振り返ることが可能
次世代プロトコルRASCOW2で超短遅延伝送を実現した「Zao-SH」
3つ目が、短遅延映像伝送の「Zao-SH」だ。これまでのZaoの中身のソフトウェアをスクラップ&ビルドすることで短遅延対応にカスタマイズしたモデル。Zao-SHのデモではほぼ遅延がなく、テレビの生中継を見ている感じだ。しかも解像度を落とすことなく、フルHDのまま短遅延を実現しているという。
Zao-SHは、自動運転やリモート操縦に使われる。遠隔地の操縦を行う際には、画はリアルタイムでこないとすべての操縦が遅れてしまう。Zao-SHは、こうした遅延を極力抑えたい現場で使われているという。
ドローンにそのまま搭載可能だが、現状では電波法の関係上、Zao-SやSHをドローンに載せてLTE経由で電波を送受信すことができない。しかし今後、電波法が改正されれば、上空からLTEで飛ばせるようになり、活躍の場がでてくるだろうとのこと。
そのようになれば、自動航行で北海道上空を飛んでいるドローンから、100msecや50msecの遅延で送られてくる映像を東京で確認することも可能になる。
短遅延を特徴とするZao-SH。カメラの入力とディスプレイの表示の短さを比べられるデモが行われていた
txt・構成:編集部