パナソニックブースは今年も広く、出展への熱量が感じられる。

同社のブースでは、「コネクティッドソリューションズ」「コネクティッドクラウド」「イマーシブライブ」「スマートスタジオ」「リモートプロダクション」の5つのエリアに分けて、映像技術やソリューションが展示を展開。そのほか、ライブ映像制作ワークフロー・システムの最新ラインアップや先進のスタジオおよびリモートカメラソリューションのデモンストレーションが行われている。

リモートカメラの最新ラインアップ

リモート会議に最適なエントリーモデルからイベント撮影に適したスタンダードモデルまで、幅広い映像制作現場のニーズに応えるリモートカメラの新製品を展示。AW-UE20とAW-HE20は近日公開の製品だ。

ロボティックカメラシステム

ドリーなど他社のロボティックシステムと同社のリモートカメラを連動させることで、ダイナミックなアングルでの撮影を可能にし、付加価値の高い放送品質の映像制作を提案する。

KAIROSの入出力の新方式「アジャイルI/O」

「IT/IPプラットフォームKAIROS」の新バージョン(V1.2)より追加された機能「アジャイルI/O」。現状のKAIROSは、最大32入力、16または20の出力に対応しているが、アジャイルI/Oを導入することで、最大64入力が可能になる。出力も通常の2倍、最大40本出力できるようになる。

同機能を使用することで、e-スポーツのような多数カメラを使用する状況下でも、KAIROSで運用することで、柔軟かつより効率的なライブオペレーションが可能になるとしている。

KAIROS Control AT-KC10C2G

今秋商品化予定の小型コントロールパネル「KAIROS Control AT-KC10C2G」も展示。従来のコントロールパネルの半分の横幅を実現した。狭いスペースや小さなプロダクションまたはライブオペレーションに最適だという。

今回は、小さなコントロールパネルで、入出力を増やせるアジャイルI/Oを組み合わせて、「多量の素材(マキシマム)を小型パネル(ミニマム)で運用ができる」魅力を訴求していた。

KAIROSクラウドサービス

日本国内では既に発表されていた「KAIROS クラウドサービス」のデモも展示。アメリカでは導入時期未定だが、今回は「アメリカでのビジネス開拓」の意向の下参考出展している。

幅広い入出力に対応し、ライブ映像スイッチング向けのオープンアーキテクチャシステムを採用することで柔軟性、拡張性を実現するIPベーススイッチャー。GPUの許容する限りシーン数やレイヤー数を事実上制限なく合成できることを特長とする。

同デモでは、アメリカ・ニュージャージーの同社オフィスからカメラ3台の配信、ラスベガス会場からモバイルカメラ1台の配信、そして日本・大阪からカメラ3台を使用して、全世界同時配信をしながら、ライブでスイッチングデモを行っている。

具体的には、1つ目は、AUTOダウンローダー機能を紹介。クラウドで記録した映像を自動的にダウンロードして、そのままPremiere Proなどのノンリニアエディターで編集ができるというソリューション。2つ目は、シングルアライブというメーカーのCGツールを紹介。クラウドを使用したCG合成が可能で、KAIROSに取り込んで映像に重畳していくデモを披露。3つ目はKairos Creator。オンプレミス版と全く同じGUIで、オペレーションをクラウドでもユーザーに提供するというもの。

最後に、KAIROSのマルチビューワーのアウトプットだ。クラウドからSRTで配信して、NABブースで観覧できるようになっていた。全体的な遅延は1秒程度で、十分なライブオペレーションができるソリューションとなっている。時間と場所に制約されず、柔軟で合理的な分散型の制作ワークフローが可能になるとしている。

LUMIXコーナーにGH6展示

GH6やBGH1などを展示したLUMIXコーナーも人気だった。目玉は、3月25日に発売したばかりのGH6の展示だ。ATOMOS NINJA V+とモバイルバッテリーの「Anker PowerCore+ 26800 PD 45W」と組み合わせた展示が行われていた。GH6はUSB PD(USB Power Delivery)対応で、モバイルバッテリーとの組み合わせで長時間撮影にも対応しやすくなっている。

NAB2022パナソニックブースレポート説明写真
LUMIXの展示コーナー
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発売されたばかりのGH6の展示
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モバイルバッテリーの「Anker PowerCore+ 26800 PD 45W」と組み合わせ
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BGH1とTilta Nucleus-Mとの組み合わせ
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VAZEN 40mm T2 1.8X
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datavideoブースに展示のBGH1。パンチルトリモコンヘッド「PTR-10MKⅡ」との組み合わせ

GH6のファームウェアアップデートの案内もあり、以下の機能に対応予定が告知されていた。

NAB2022パナソニックブースレポート説明写真
  • DCI4KのProRes 422 HQ/ProRes 422の対応モード追加
  • FHDのProRes 422 HQ/ProRes 422の対応モード追加
  • USBケーブル経由のSSD記録対応
  • 4K 120P動画撮影時の4K 120p HDMI映像出力対応
  • ATOMOS NINJA V+へのCinema4K 120p動画RAWデータ出力対応