今年流行のライブ制作対応カメラをめぐるコース。ARRIは「ALEXA 35 Live Multicam」、キヤノンはライブ用途に必須な機能を搭載した「EOS C400」が話題だ。富士フイルムのHZK14-100mmは、PLマウント搭載し、ライブ撮影にも対応する。ニコン、ソニー、ブラックマジックデザインの話題のカメラ新製品も要チェックだ。
01 ニコン(#4401)
フルサイズミラーレスカメラ「Z6III」
2024年7月12日に発売を開始した「Z6III」の展示に注目だ。上位機種のZ9やZ8と同様、N-RAWやProRes RAW HQの内部収録、6K60Pに対応する。これだけの上位機種譲りの機能を搭載しながら、公式オンラインストアの価格は税込435,600円。機能と価格のコストパフォーマンスに今もっとも優れた注目のモデルだ。
Z6III以外にも、パワーズーム搭載の映像制作者向けレンズ「NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZ」やZ9の開発中ファームウェアの先行体験など、今年のニコンブースは見どころ満載だ。
02 キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン(#5308)
デジタルシネマカメラ「EOS C400」
EOS C400の魅力は、6Kフルサイズセンサー搭載など、最新のスペックを小型のボディに凝縮してきた点だ。リグを組んで外部バッテリーを搭載したとしても、かなり小さくまとめることが可能だ。記録面では、Cinema RAW Lightを採用してCFexpressへ6K60Pの12bitRAWに対応する。高感度12800を含む3段階のBaseISO設定も話題の部分だ。瞬時に被写体を捕捉する高速AFを行えるデュアルピクセルCMOS AF IIを搭載。さらに、シネマカメラをライブ配信の現場で活用できるタリー連動・リターン入力に対応している点も、まさに今風のシネマカメラといっていいだろう。
03 富士フイルム(#7204)
放送用ズームレンズ「FUJINON HZK14-100mm」
FUJINON HZK14-100mmは、Duvoシリーズ初の広角ズームレンズだ。Duvoシリーズのポータブルは焦点距離24-300mmをカバーする標準ズームレンズ「HZK 24-300mm」に続く2本目のレンズだ。
Duvoシリーズは、富士フイルムの放送用B4スタイルレンズとPLマウントシネマレンズのPremistaとの中間の立ち位置を実現しており、シネマと放送の二面性に対応できるのを特徴としている。HZK14-100mmも重量は2.54kgの小型・軽量を実現。T2.9の開放F値も特徴だ。
04 ソニーマーケティング(#8108)
XDCAMメモリーカムコーダー「PXW-Z200」
ソニーブースの注目は、約6年ぶりに発売された新ハンディカムコーダー「PXW-Z200」だ。2連リング搭載が大変話題で、フルマニュアルで使うことが多いカメラマンからは3連リング待望論が沸騰。「被写体認識などの技術の進化 対 手動のピントとズーム」のような構図の論争も話題になった。面白いのは「Monitor & Control」アプリ対応で、カメラ設定などの操作や収録素材の確認が可能なのは便利だ。
05 M-Tec JAPAN(#8309)
マルチカムシステム「ALEXA 35 Live」
ARRI製品の国内正規販売代理店「M-Tec JAPAN」がInter BEEに初出展。ARRI ALEXA35 Liveの国内初展示を行う。海外では音楽ライブやスポーツ中継の撮影にシネマカメラが選ばれることが増えてきているが、ARRI ALEXA35 Liveはそんなライブマルチカメラプロダクションに対応する。ALEXA 35の17ストップのダイナミックレンジと色表現力を音楽ライブやスポーツ中継で利用可能になる。
M-TecではARRIの新シネマレンズ「Ensō」やTiffenの「Steadicam Axis」など、国内初展示がてんこ盛りの予定だ。
06 ブラックマジックデザイン(#8409)
ラージフォーマットデジタルカメラ「Blackmagic URSA Cine 17K 65」
Blackmagic Designブースの注目は国内初となる「URSA Cine 17K」の展示だ。65mmセンサーに大注目が集まっている。このクラスのセンサーを搭載したシネマカメラはARRIのALEXA 65以外登場することはないと思っていたが、Blackmagic Designが実現してきた。17KモデルでもBlackmagic RAWで記録が可能。気になるレンズは、PL、LPL、ハッセルブラッドレンズマウントに対応する。価格は本体のみで税込4,718,000円で、予約受付中だ。