富士フイルムはInter BEE 2024の同社ブースで、「GFX ETERNA」を初展示した。

スペルは「ETERNA」で映画用カラーネガフィルム「ETERNA」(エテルナ)と同じだが、「GFX ETERNA」は「エターナ」だ。GFXブランドの名を持った新製品だが、「GFX ETERNA」は同社初の業務用シネマカメラだ。今回の新製品がオンラインでの発表でなかったのは、そのあたりが関係しているらしい。

GFX ETERNAを開発するきっかけになったのは3つポイントがあったという。

1つ目はGFXがもともと持っているセンサーの大きさ。GFXのセンサーの大きさは、フルサイズ以上のポテンシャルを秘めている。2つ目は、そこに富士フィルムが持っている色再現や、フィルム、映画用フィルム含めて作ってきたノウハウをこのカメラに活かしたいという思いがあったという。3つ目は、さらにフジノンのシネマレンズを含めた光学性能の要素。この3つ重ねた時にどんな映像制作カメラができるかという思いで実現をしたという。

気になるこれまでのGFXシリーズと違う点は、SDIやHDMIのインターフェース、NDなどの映像制作に必要な機能を搭載している点だ。センサーと中の高速画像処理エンジンはGFXシリーズと同じものを搭載する。GFXシリーズはスチル撮影カメラの最高峰ブランドだが、GFX ETERNAは映像制作に特化した最高峰を目指すという。

カメラボディのレンズマウントは、GFXシリーズでおなじみのGマウントを採用。デモの展示では、新しく動画向け開発中の動画撮影向きの実焦点距離32-90mm相当のGFレンズと組み合わせて展示。GFレンズ初の電動ズームレンズとしている。

一緒に、富士フイルムの自社ブランドのGマウントからPLマウントに変換できるアダプターを展示。例えば富士フイルムの「Premista」シリーズや「Cabrio」シリーズのレンズも使えるようになる。

値段は発表されていないので、シネマ業界のどのクラスと競合するのか現在のところ不明だ。富士フイルムとしてはGFX ETERNAは唯一無二の存在であり、市場に多数存在するシネマカメラの中の1つの選択肢になることを目指しているという。