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日本では高性能なソフトボックスを手掛けるメーカーとして注目を集めているSMDVと可変NDフィルターやCPLフィルターなどで名を馳せているH&Yが合同でInter BEE 2024に出展している。
映像の世界ではご存じの方は少ないと思うが、写真の世界ではかなりの注目を集めている両社だが、映像の世界でもクオリティーの高い撮影を行ってもらえるようにとInter BEE 2024新製品を持ち込んで来てくれた。いくつかの商品を簡単に紹介したいと思う。
H&Yが持ち込んだ新製品は、小さな変化だが従来からのストレスがこれで解消するものだ。H&Yのマグネット式の丸型フィルターには回しやすいようにピンが付いているが、このピンに何かが引っかかって予期せずフィルターが脱落してしまう場合や、状態を固定したいときになど触れると可動してしまいその状態が保てないうということがあった。この点を改善するためピンにネジ式のストッパーを組み込んだ。
これにより不意の脱落や、状態の変化などを抑えることができるようになった。本当に小さな改善だが、実はこういう小さな改良がユーザーの心を掴むポイントだったりするのは言うまでもない。その他のフィルターも展示されているので、ぜひ手にとって試していただきたい。
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SMDVは好評を博している「FLIP BOUNCE」で3種類のサイズ展開を開始した。もともとFLIP BOUNCEは44(インチ)のみの展開だったが、多くのユーザーからこの他に大小の展開を求められ、今回のInter BEE 2024に持ち込んだかたちだ。
これまでのソフトボックスはお椀型のものだったりボックス型のものだったりというものが主流で、周辺にまんべんなく光を回すことは難しかったが、FLIP BOUNCEは光源から放たれた光を、傘の開口部に備えらたバウンスシートでバウンスさせた後にディフューザーから芯のないきれいな光を放出するのだ。これはストロボでなくても定常光、つまりはスタジオライトなどでも同じようにきれいな光を生み出せるので、映像の撮影でも美しい光の演出が容易に行えるというわけだ。そこに3種類のサイズ展開で、ライトのサイズや用途に合わせて効果的にきれいな光を作り出すことができるようになった。
ただFLIP BOUNCEは光を拡散させるだけで影響させたくないところに光が届いてしまったり、効果的に光を集中させることができないのではないかと思われるが、ご心配は必要ない。別売にはなるが光を拡散させないようにするカーテンなども用意されているので、本当に効果的に美しい光を効率的に作り出せる商品と言えるだろう。そしてマウントはボーエンズだけでなく、NANLITEのEvokeシリーズにも対応していてるのも嬉しい。ぜひとも生でその光を体感していただきたいと思う。
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そして参考出品ながらこれも良い製品だと思ったのが「FLEX Stand C-10」というカーボン製のライトスタンドだ。まだ試作段階というものの、作り自体はしっかりとしているものだ。脚部の可変部分なども分厚いスチール素材で作られており、脚も伸縮して広げられるようになっている。
また支柱も太めの堅牢性が高いカーボンで作られており、3mの高さまでライトを上げることができる。そしてなにげにポイントと思うところは水準器が備え付けているところだ。こういう気配りが実は嬉しかったりする。
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光をコントロールするという点では、ライトの出力や大きさなどが一番最初に思い浮かぶかもしれないが、こういうアイテムでも光をコントロールして美しい映像を作り上げることができると広く知っていただきたいものだ。
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