AJAは今年のNAB 2025において、主に3つの新製品を発表した。

1つ目は、ストリーミングおよびIPビデオソリューション製品群に追加された「BRIDGE LIVE 3G-8」である。従来、最大4入力に対応する「BRIDGE NDI 3G」が存在したが、本製品は8入力に対応するモデルとして新たに開発された。NDIおよびSRTプロトコルでの受信が可能であり、H.265、H.264、MPEG-4、MPEG-2といった多様なコーデックをサポートする。

最大の特徴は、8つの入力全てに対し、GENLOCKによる同期をかけた状態で出力できる点であろう。

2つ目は、12G-SDI Danteオーディオエンベッダー/ディスエンベッダー「DANTE-12GAM」である。本製品は、Danteオーディオのエンベッダーまたはディエンベッダーとして機能する。SDI入力からオーディオ信号を抽出しDante形式に変換することや、Danteオーディオ信号をSDI入力にエンベッドして出力することが可能である。SFPポートを搭載しており、ファイバーチャネルネットワークへの接続や、拡張ポートとして使用することでBNCポートを2つ増設できる。

3つ目は、新型12G-SDIルーター「KUMO 6464-12G」である。KUMOシリーズはAJAが以前から展開している製品群であり、本製品はその最上位機種となる。シリーズ中最多のポート数を備え、12G-SDIに対応することが特長である。

本製品は、過去に開発が試みられたものの、バグの発見により発売が見送られた経緯がある。今回、再設計を経て改めて発売に至ったSDIルーターである。

マルチポートSDIスイッチング機能により、2つまたは4つのソースを同時にクアッドリンク、デュアルリンク、4K/UltraHD、8K/UltraHD2といったフォーマットで切り替えることができる。

操作はWebブラウザベースのユーザーインターフェースを通じて行う。一般的なルーターとは異なり、とにかく薄くて、高い静粛性を実現している。プロダクション環境での使用に適している点が大きな特徴である。