IBC 2026のYC ONIONブースで目に留まったのは、ソニーα7Rシリーズのボディに装着された、薄型の単焦点レンズだった。レンズ前面には「Blue Moment」の文字が入り、その外観は一般的な交換レンズというより、ボディキャップを思わせるほどコンパクトだ。YC ONIONのレンズといえば、ハイエンド志向のSONGRAWが有名だが、それとは違うブランドだという。
仕様を確認すると、焦点距離28mm、開放F値F3.8、オートフォーカスに対応する。さらに気になったのが対応フォーマットである。このサイズからAPS-C用レンズを想像したが、展示機はフルサイズ対応だった。フルサイズ対応、28mm F3.8、AFという構成を、この薄い筐体にまとめているところが今回の展示で特に目を引いた。

「Blue Moment」の28mm F3.8、AF対応を薄型ボディに凝縮
展示されていたレンズには「Blue Moment」の表記が確認できた。取材時点では正式な製品名を確認できなかったため、本稿では「Blue Moment」の28mm F3.8レンズとして紹介する。
焦点距離は28mm、開放F値はF3.8。スナップや風景、日常の記録などで使いやすい広角域であり、カメラに装着したまま持ち歩く用途を想像しやすい。実機を見ると、スペック以上に印象に残るのがレンズの薄さである。交換レンズを一本追加して持ち歩くというより、カメラに装着した状態でシステム全体をコンパクトにまとめたくなるサイズ感だった。



さらに、このレンズはオートフォーカスに対応する。小型・薄型という特徴だけを追うのではなく、AFを組み込むことで撮影時の扱いやすさも確保している。大型化することで明るさや描写性能を追求するレンズとは異なり、フルサイズカメラを身軽に持ち出すという方向から組み立てられた製品に見える。
ソニー、ニコン、富士フイルム向けを展開
今回撮影した展示機はソニーα7Rシリーズに装着されており、少なくともソニーのカメラに対応する仕様を実機で確認できた。ブースでの説明では、ソニーに加えてニコン、富士フイルムのカメラに対応するモデルも用意される。具体的なマウント名については取材時に確認できなかったため、ここでは各メーカー向けという表記に留める。
外観は4色が用意される。写真の展示機ではブルー系のレンズが装着されており、カメラに装着した際の存在感も一般的なブラックの交換レンズとはかなり異なる。小型化だけでなく、カメラとの組み合わせを楽しめる外観も意識した製品であることがうかがえる。

フルサイズカメラを身軽に持ち出すという方向性
IBCのような映像機器の展示会では、大型のシネマレンズや高性能なズームレンズに目が向きやすい。その中で、この28mm F3.8は逆方向のアプローチで気になった製品だった。カメラシステムを大きくして性能を追求するのではなく、フルサイズカメラをどこまでコンパクトに持ち歩けるかという発想である。
28mmという画角であれば、街中のスナップから旅行、日常の記録まで幅広い用途が考えられる。小型ボディとの組み合わせはもちろん、普段使っているフルサイズ機に装着し、できるだけ荷物を増やしたくない場面にも合わせやすそうだ。
ブースで最初に目を引いたのは、その薄さだった。そこから仕様を一つずつ確認していくと、28mm F3.8、AF、フルサイズ対応という構成が見えてきた。IBC 2026のYC ONIONブースで見つけた「Blue Moment」のレンズは、小型化という方向からフルサイズカメラの持ち歩き方を広げる、気になる展示の一つだった。