©2011 Disney Enterprises, Inc. / Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

…さて、夏まっさかりである。夏と言えば、夏休み。夏休みと言えば、ディズニーランド。今月の当コラムでは本場アメリカのカリフォルニア ディズニーランド・リゾート(カリフォルニア洲アナハイム)の最新情報を皆さんにお届けする事にしよう。この夏にロサンゼルス観光を計画されておられる方、シーグラフの前後にロサンゼルスへ立ち寄る方、そして遅い夏休みをどこか海外で過ごそうと考えておられる方、そんなアナタは是非とも、このコラムをご参考にされたし。

『スター・ツアーズ:アドベンチャー・コンティニュー』がリニューアル・オープン

nabe13001.jpg

この夏、我々映像関係者にとって、絶対ハズせない新アトラクションが、コレ。6月3日より、カリフォルニア州アナハイムのディズニーランド・パークに新しいスター・ツアーズがお目見えした。その名も『スター・ツアーズ:アドベンチャー・コンティニュー』。(以降、「新スター・ツアーズ」と表記)旧スター・ツアーズはリニューアルの為、昨年7月からクローズしていたのだが、それが大幅にパワーアップして戻ってきた訳だ。筆者はさっそく、週末の朝イチに車でフリーウェイをぶっ飛ばし、ロサンゼルスからアナハイムのディズニーランドへと到着。そして、一路トゥモローランドへ。目指すはもちろん、新スター・ツアーズである。…が!

nabe13002.JPG

そこで筆者が目にしたものは、残酷にも「75分待ち」という大行列であった。そんな待ち時間にもメゲず列に並んだ筆者だが、意外にも、並んでいる間、ほとんど退屈しなかった。デザインに趣向をこらした最初のウェイティング・スペースに始まり、ゲートをくぐった後の建物内部のプレショーも随所がアップグレードされており、過去に何度も訪れているファンにも斬新な演出が楽しめる。それを見ている間に順番が来たという感じであった。さて。肝心の映像部分だが。お・おおお・おおおおおおおお面白い!!!!!!!!!(本当)期待を裏切らない完成度に仕上がっていた。

宇宙船「スター・スピーダー1000」を模したシミュレーション・ライド部分は基本的に前作と同じ油圧駆動によるモーション・シミュレーターだが、映像部分は完全に一新されていた。前作は70mmフィルムのリア・プロジェクションだった上映方式が、「新スターツアーズ」では鮮明なデジタル再生へとアップグレードされ、シャープで鮮明な映像が楽しめる。しかも、今回は立体映像だ。これにより映像の臨場感は最大限にパワーUPされたと言える。観客は立体メガネを掛けて、映像の中に引き込まれていく。

立体映像の上映方式はドルビー3D。ドルビー3Dは波長分割方式を採用している為、旧式の直線偏光方式のような「首や体が傾くと立体視がしづらくなる」と言う欠点が比較的少なく、スター・ツアーズのようなライド映像の立体視には適した方式と言えるかもしれない。また、特筆すべきは、ストーリーが毎回違う事(!)。なんでも、前半・中間・後半をランダムに組み替える事で「50種類以上の組み合わせのストーリー」が用意されており、何度繰り返し”搭乗”しても同じ映像を見る事は(よっぽど運が悪くない限り)ほぼ無いというから驚きだ。

nabe13003.jpg

©2011 Disney Enterprises, Inc. / Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

ちなみに筆者が”搭乗”した時は、「帝国の逆襲」のスノーウォーカーの合間を飛び交い、ボバ・フェットの攻撃を受けるという展開だったが、まさに「映画の中へ入り込み、突っ込んでいく」という感覚で、ものすごい大迫力だった。筆者は旧スター・ツアーズにも何度となく”搭乗”してきたが、この新スター・ツアーズでは観客からの悲鳴の上がり具合や、ウヒャウヒャ喜んで発狂する比率が256倍増(当社比)ししていたような気がした。…という訳で、超オススメの『スター・ツアーズ:アドベンチャー・コンティニュー』。是非カリフォルニアへ来て、本場のディズニーランド・パークにて体感して欲しい。

‘Star Tours – The Adventures Continue’ 映像テクニカルノート

  • 制作:Walt Disney Imagineering, working with Lucasfilm Ltd. and Industrial Light & Magic
  • 上映時間:約5分
  • VFX:Industrial Light & Magic
  • ストーリーの組み合わせ:50以上
  • 上映スクリーンサイズ: 縦72.5インチ x横171.5インチ 映像解像度:1920 x 1080
  • 3D上映方式:Dolby3D
  • 映像再生デバイス: Hard disk based 3D server

さてこの夏、アナハイムのディズニーランド・リゾートを訪問される方の為に、オマケで耳寄り情報もご紹介しておきたい。

新パレード「ミッキーのサウンドセーショナル・パレード」

nabe13004.JPG

5月27日、アナハイムのディズニーランド・パークに、新パレード「ミッキーのサウンドセーショナル・パレード」が登場した。まるで飛び出す絵本のような楽しいデコレーションを施した、新しい9つのパレード・フロートにキャラクター達が分乗して登場する。パレードの先頭はもちろんミッキーマウスで、フロートの上でアコースティック・ドラムの素晴らしい演奏を披露する。まさに、ミッキー・ファン必見の新しいパレートである。パレートが始まる30分前には、良い場所に予め陣取って、スタンバイしておきたい。

「リトル・マーメイド:アンダーシー・アドベンチャ―」

nabe1305.JPG

アナハイムのディズニーランドに隣接する、カリフォルニアをテーマにした第2のテーマパーク「ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パーク」に、6月3日より「リトル・マーメイド:アンダーシー・アドベンチャ―」というアトラクションが登場した。これはアリエルの住む海底の世界を表現した、魅惑的なライド型アトラクションだ。ライドは「ホーンテッド・マンション」の乗り物と同じスタイルだが、そのデザインはカラフルな2枚貝をモチーフにしている。これに乗ってディズニー映画「リトル・マーメイド」の名場面が楽しめる。

夜の大スペクタクル・ショウ「ワールド・オブ・カラー」

nabe13006.JPG

ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークの湖「パラダイス・ベイ」で夜に開催されるスペクタクル・ショウ「ワールド・オブ・カラー」は、必見。光と色の「噴水の芸術」が展開される。しかも、巨大な噴水によって作られた霧のスクリーンに、ディズニー映画の名場面の数々がサントラと共に映し出される、非常に感動的なショウだ。夜まで滞在する方は、予め開催時間をチェックし、ファストパスをゲットしておくと専用の観覧エリアでショウを満喫出来る。こちらも要チェックであろう。

さて、駆け足でご紹介したカリフォルニア ディズニーランド・リゾートの最新レポートだが、これを読んでロサンゼルスに足を運んでみたくなった方も、多いのではないだろうか。やはり一度は本場を体験してみたいものだ。特に映像関係者の方は、是非この夏休みや次回のバケーションにカリフォルニア ディズニーランド・リゾートを訪れてみてはいかがだろうか。


取材:鍋 潤太郎 撮影:山下奈津子 取材協力:ディズニー・ディスティネーション・インターナショナル

WRITER PROFILE

鍋潤太郎

鍋潤太郎

ロサンゼルス在住の映像ジャーナリスト。著書に「ハリウッドVFX業界就職の手引き」、「海外で働く日本人クリエイター」等がある。