取材&撮影:鍋 潤太郎



映画「ワイルド・スピード」を体験する!?

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オープニング・セレモニー会場には、映画最新作の撮影で使用された名車の数々が並んでいた。まさにファン垂涎ものである

6月24日(木)、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドに最新ライド・アトラクション「Fast & Furious – Supercharged」がオープンした。それに先立つ23日(火)、プレスを招いてのオープニング・セレモニーが開催された。今回はその模様をスペシャル・レポートの形でお届けしよう(今回のレポートでは、このアトラクション「Fast & Furious – Supercharged」の名称を邦題をベースに「ワイルド・スピード・ライド」と呼ばせて頂く)。

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レッドカーペット横に陣取る、世界各国のプレス達。日本代表はPRONEWS

映画「ワイルド・スピード」(原題:Fast & Furious)シリーズのフランチャイズは、ユニバーサル・スタジオの数ある作品群の中でもヒットを連発し続けており、今年4月に全米公開された最新作「ワイルド・スピード SKY MISSION」で7作目を数えた。この作品は、映画の撮影が感謝祭の連休で一時休憩していた2013年11月末、主演俳優のポール・ウォーカーが交通事故で亡くなるという前代未聞のショックな出来事に見舞われた。しかし、この試練を乗り越えて映画は無事完成し、大ヒットを記録したのはご存知のとおりである。そんな期待の中で、この新アトラクションは、ユニバーサル・スタジオ・テーマパークの開園50周年記念の一環として、この程オープンの運びとなった。

オープニングのためだけに結集した映画キャスト

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スターが登場するたび、プレスが殺到してこんな感じに(笑)

6月23日のプレス向けオープニング・セレモニーは、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドのバックロットにある撮影用オープン・セットに作られた、特設会場で開催された。会場入り口にはレッドカーペットが敷かれ、「ワイルド・スピード7」のキャスト・メンバーからヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソン、そしてジェイソン・スティサムらのスターが姿を見せ、レッド・カーペットの上を歩いた。

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「このライド映像の為に、グリーン・スクリーンの撮影を沢山こなしたよ」とヴィン・ディーゼル

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「俺達は大事なブラザー(ポール・ウォーカー)を失った。でも、彼の分まで頑張っているよ」タイリース・ギブソン

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スラリとした長身で、カッコ良いミシェル・ロドリゲスはプレスの人気の的

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渋くキメたジェイソン・ステイサムは、独特のオーラを放っていた

開始時刻になると、いよいよオープニング・セレモニーがスタート。司会を務めるDJがステージ上で開会を宣言すると、まずは女性ダンサー達が登場し見事なパフォーマンスを披露。続けて、突如エンジン音が鳴り響き、どこからともなく数台の車が滑り込んできて、土煙を上げながらドリフト。プレスの目の前で、カー・スタントによるアクション・ショーが繰り広げられた。その後、メインステージ上では、キャスト・メンバーらが1人ずつ紹介され、舞台挨拶が行われた。そして、ステージ上に設置された2本の鉄柱を結ぶ鎖を、巨大な工具でカットするという、いかにも「ワイルド・スピード」らしい“テープ・カット”が始まった。

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いかにも「ワイルド・スピード」らしい“テープ・カット”

NABA_vol59_Fast-&-Furious_Grand-Opening-2 © 2015 Universal Studios Hollywood
スタントカーが空中をジャンプし、巨大な看板を突き破るという、ド派手な演出のプレス向けオープニング・セレモニー

が!ここで突然FBIが乱入。テープカットの儀式は無理矢理中断させられ、キャスト達は全員「逮捕」、ステージから降りるよう命じられる。もちろんこれはショーの演出なのだが、そんな大混乱の中、またもやカースタント・ショーが勃発。最後は車が空中をジャンプし、「ワイルド・スピード・ライド」の大看板を突き破り、その瞬間に花火が一斉に上がってフィナーレ!!という、まさに映画さながらの心ニクイ演出が満載であった。

…しかし、プレスの為だけにわざわざここまでやるか、普通?まさにハリウッドのエンターテインメントを象徴する、ド派手なオープニング・セレモニーであった。

ライド・アトラクション試乗

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連結トラムがプレスをお出迎え

セレモニーが終わると、いよいよライドの試乗タイムである。ユニバーサル・スタジオの名物アトラクションでもある、「スタジオ・ツアー」でお馴染み連結トラムが、プレスの為に特設会場前までお出迎え。それに乗り込み、いざライドへと向かう。目指す「ワイルド・スピード・ライド」は、「ジョーズの池」を通り過ぎ、野外特撮プールにほど近い大きなサウンド・ステージ内に設置されていた。

 

ライド・タイプのアトラクションと聞いていたので、筆者は「トランスフォーマー・ライド」のような独立したアトラクションを想像していたのだが、このライドは「スタジオ・ツアー(The Studio Tour)」の一環に組み込まれ、連結トラムに載ったまま3Dメガネを掛けて体感するという、「King Kong: 360 3-D」とほぼ同じスタイルのアトラクションであった。

NABA_vol59_Fast-Ride-Exterior © 2015 Universal Studios Hollywood
「ワイルド・スピード・ライド」が設置されているサウンドステージの外観。連結トラムに乗ったまま、3Dメガネを掛けて体感するライド

サウンド・ステージの中には、4両編成の連結トラムをすっぽり包み込む、全長122m&360度のスクリーンが張られ、そこに34台もの4Kプロジェクターによって立体映像が投影される。床は画面と連動した油圧システムが連結トラムを激しく揺らし、臨場感はバツグン。

連結トラムはサウンド・ステージの中に停止している訳だが、360度の立体映像と油圧システムの動きによって、上映中はまるで時速200kmの猛スピードで走行しているかのような錯覚に陥り、かなりの臨場感が体感出来るスリル満点のアトラクションであった。

映像部分はこのアトラクションの為に作られたオリジナル・ストーリー。俳優達は「ものすごい数のグリーンスクリーン・ショットを撮影した」(ヴィン・ディーゼル談)という。360度の全スクリーンで様々な事が起こり、演出も大変複雑なものになった。その為、撮影前から綿密なショット・プランが練られ、そのプリビス&ポストビスはThe Third Floorが担当した。VFXはMPCが担当し、膨大なショットをこなしている。また、ミニチュアでNew Deal Studiosも参加している。臨場感溢れる映像に、乞うご期待である。

おわりに

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© 2015 Universal Studios Hollywood

さて、駆け足でご紹介した「ワイルド・スピード・ライド」のプレス向けオープニング・セレモニーと、アトラクションのご紹介レポート、如何だったであろうか。少しでもこのアトラクションの魅力が伝われば幸いである。この夏にSIGGRAPH2015への参加を予定されている方は、是非ともユニバーサル・スタジオ・ハリウッドへ足を延ばして、是非この最新アトラクション、「ワイルド・スピード・ライド」を体感してみる事をおススメしたい。その際は、過去に本欄でご紹介した新アトラクションの数々も、併せてトライしてみると楽しいだろう。


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WRITER PROFILE

鍋潤太郎

鍋潤太郎

ロサンゼルス在住の映像ジャーナリスト。著書に「ハリウッドVFX業界就職の手引き」、「海外で働く日本人クリエイター」等がある。