Leitz Cineブース動画

360°全天球動画

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ラージフォーマット用に設計された全く新シネマズームレンズシリーズ「Leitz Zoom」

Leitz Cineブースの注目は、Leitz ZoomとLeitz Primeの展示だ。その中でもLeitz Zoomは、同社から初めて発売するズームレンズ。2本の発売を予定しており、2019年末よりデリバリーを開始予定。IBC 2018で発表した製品だが、当時の実機はプロトタイプの初期段階だった。NABでは、プロトタイプ終盤のものが展示されていた。

気になるのは、Leitzがなぜズームレンズを発売するかだ。海外ではマルチカムが普通で、Aカメは単玉、Bカメはズームのような構成が多いという。その際にSummilux-CやThaliaと組み合わせるズームレンズとして、Angenieuxや富士フイルムのズームレンズだと色味は合わない。最適なものがないという、現場の意見に応える形でLeitz Zoomの開発に至ったという。

イメージサークルは46.5mmで、ビスタビジョンをカバーする。ワイドズームは25-75mm T2.8、テレズームは55-125mm T2.8で2本ともランピングはない。ワイドの重量は約3.5kg、テレズームの重量は約4kg。前径は両方とも114mm。

特徴は、ズームレンズだが、新しく出るLeitz Primeに極力クオリティで引けを取らない設計になっているという。コントラストや解像力はかなり高く、評価をしたレンタル屋の感想は、「単玉のようなクオリティ」と絶賛だったという。マウントはPLだが、LPLでも供給可能。ユーザー側で交換できるようになっている。

フルフレーム/Vista Vision対応の12本の新シネマプライムレンズシリーズ「Leitz Prime」

Leitz Primeはビスタビジョンのイメージサークルをもつプライムレンズだ。18mmから180mmまでの12本構成。T値は180mmがT2.2、それ以外は全てT1.8。前径は114mm。重量は、2.5kgから重いワイド端とテレ端は2.9キロ。デリバリーは2020年の頭に開始予定。最初は8本で、残りの4本は数ヶ月後に発売する。

Leitz Primeの特徴は、性能の高さだ。Summilux-Cは、レンズ性能テストでずば抜けて高い数字を出す。Leitz Primeは、フルフレームでそのSummilux-Cを超える超える性能の高さを実現する予定とのことだ。

Leitz Primeの中の1本、18mm T1.8

意図的に球面収差を残したシネマプライムレンズ「Thalia T 90mm」

Thaliaはこれまで24mmから180mmの9本だったが、新たに90mmのThaliaが誕生する。Thalia T 90mmで「T」はタンバールのT。Mレンズの90mmを光学系を使って実現している。

タンバールは、意図的に球面収差を残した個性的なプライムレンズだ。球面収差は取り除くのが一般的だが、あえてそれを残す。その効果を楽しむとレンズとなっている。そのため、開放付近では、にじむような描写となる。一般的なシャープな画がほしい場合は、絞ればシャープになる。わずかに絞っても効果の出方は変わる。この効果が出る範囲の好みを見つけるという使い方もできる。

タンバールの効果はフィルターでも得られない、ポスプロで実現しようとするならば大変な時間がかかってしまうだろう。レンズで引き起こされる球面収差でしかできない効果で、大変貴重なレンズといえるだろう。