NHKブース動画

NHKブースレポート

すでにNHKが提唱していた4K8Kは実用期にはいり、カメラを初めとした様々な機器がすでに内外各メーカーから発売されている。NHKでは来る8K放送を控えて様々な場面で精力的に収録を初めており、コンテンツも増え続けているようだ。

一方実際に放送を行うための送信設備や送信から家庭内での視聴など、HDではなかった課題が存在することもあり、現在ではそうした課題解決のための技術や実際の視聴におけるスタイルなどを提案していた。また、4K8Kの次に来る放送技術となどんなものなのか、今後のNHKの姿勢にも期待が集まるところである。

今回NHKブースでは8K放送システムや、すでに多くの収録が行われた8Kコンテンツの展示のほか、放送技術研究所で研究を進めている裸眼による3D映像システムなどが披露された。

8K放送システム&リビングシアターNHKの送出コントロールルームなどの8K放送システムや技術仕様を紹介。8Kリビングシアターでは、88インチの8K有機ELディスプレイと22.2ch音響システムを用いて、ヴェルサイユ宮殿や大相撲初場所など最新の8Kコンテンツを上映が行われた

8K 120Hzの映像をリアルタイムに処理することができるエンコーダーとデコーダーなど、被写体の動きをより滑らかで鮮明に再現できるフレーム周波数120Hzに対応した8K映像のコーデック技術を展示

次世代の地上放送技術としてスーパーハイビジョンによる次世代の地上放送を実現するための技術を展示。1つのチャンネルの中で固定受信用のスーパーハイビジョン放送と移動受信用のハイビジョン放送を同時に伝送する技術や、総務省の委託研究地上テレビジョン放送の高度化技術に関する研究開発を受託して行った実験結果として東京と名古屋で行った大規模な地上伝送実験内容を紹介

多様な視聴者の好みや家庭での視聴環境にあわせて、番組音声をカスタマイズして聞くことができるオブジェクトベース音響技術。音の素材と音響メタデータを制作し、ステレオ、5.1サラウンド、22.2ch音響それぞれのスピーカー配置に対応した音声をレンダリングできる制作システム

3D映像システムアクティナビジョン。国内では以前からインテグラル立体テレビとして紹介されていたもので、8K機器の開発過程で得られた高解像度の技術を取り入れることで画質が向上したほか、スマホタイプのプロトタイプなど実用化が近いと思わせる試作機を出展し注目を集めていた。特別なめがねなしに自然で見やすい3D映像を表示するシステムアクティナビジョンは複数のカメラで撮影した多視点映像から取得した被写体の光線を、複数のプロジェクターと表示光学系を用いて再現することで、水平・垂直方向に動いても自然な3D映像を見ることができる技術