株式会社ブレーンズ・システムは、2025年9月18日・19日の2日間、富山県民会館で開催された「北陸放送機器展2025」に出展した。ブースでは、アイベックステクノロジー社製の超低遅延コーデック製品「HLD-300N」と、RADWIN社製の60GHz帯無線伝送システム「TerraNetシリーズ」を組み合わせた、超低遅延の映像伝送ソリューションが大きな注目を集めていた。

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RADWINのTerraNetシリーズは、60GHzミリ波帯を活用したマルチギガビット接続を提供する
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「TerraNetシリーズ」は、免許申請が不要な60GHz帯のミリ波を利用した無線伝送システムである。最大の特長は、その長距離伝送能力にある。従来、免許不要帯の無線伝送システムの伝送距離は200〜300m程度に限られていたが、新しい「TerraNetシリーズ」は、減衰を考慮したカタログ上の数値でも400mの伝送距離を謳っている。なお、理想的な条件下で行われた実証実験では、最大1kmの伝送に成功している。これまで4.9GHz帯の無線システムを利用していたユーザーにとって、新たな周波数帯への移行を検討する上で、非常に魅力的な選択肢となるだろう。

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設置の容易さも大きな利点だ。ビームフォーミング技術をサポートしており、基本的なネットワーク知識があれば、Wi-Fi機器を接続する程度の感覚で誰でも簡単に設置できるとのことである。GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を通じて、電波強度や距離といった情報をリアルタイムで確認できるため、最適な設置場所を容易に見つけることができる。

伝送能力も高く、最大で2.3Gbpsの実行スループットを誇る。これにより、フルHD映像を複数本同時に、かつ低遅延で伝送できる。双方向通信に対応しているため、カメラの制御信号などを送り返すリモート操作にも活用可能だ。1対1の通信だけでなく、1対Nのマルチキャスト配信にも対応しており、幅広い運用が可能である。

モニターの左右にあるのは従来モデルのアンテナ分離型のもの

担当者は、具体的な活用例として、モバイル回線が混雑しやすい花火大会の中継などを挙げた。高台にアンテナを設置すれば、河川を挟んだ場所からでも、安定した映像伝送が可能になるとのことである。

また、本体はノートPCの半分程度のサイズで、重量も約700gと非常にコンパクトである。アンテナマンが携行し、移動するカメラマンを追いかけながら受信局との見通しを確保するといった、従来のFPU(無線伝送装置)のような運用も可能になる。

本製品のレンタルは行っておらず、購入のみの対応となるが、導入前には必ず現地での検証を行い、安定した運用が可能であることを確認した上で販売する体制を整えている。

アイベックステクノロジー社が提供するこの革新的な無線伝送システムは、免許不要帯でありながら長距離・高速・低遅延という、これまで両立が難しかった性能を実現した。イベント中継から監視カメラ、重機の遠隔操作まで、有線インフラの敷設が困難なあらゆる現場で、その真価を発揮しそうだ。