北陸放送機器展のHollylandブースでは、ワイヤレスインターカムシステムの新製品である「Solidcom H1」が注目を集めた。先日の「PRONEWS SUMMIT 2025」でも紹介したが、その中でも「Geo Central Station」の正式ちょっと前のデモ機が展示された。

Solidcom H1ワイヤレスインターコムシステムは、Geo Central Station、Solidcom ANT01、Solidcom ANT01などで構成される
Geo Central Stationの正式ちょっと前のデモ機を展示

このステーションは、システムの拡張性と管理機能を大幅に向上させる中心的な役割を担うものである。このシステムは、Geo Central Stationがない場合でも最大3台のSolidcom ANT01ユニットを接続(カスケーディング)し、最大30人の同時通話が可能である。

さらに新たに導入されたステーションを使用することで、接続可能なアンテナは最大8台、同時通話人数は最大80人へと大幅に拡張される。複数のアンテナを連携させることでシームレスな通信環境を構築するローミング機能も備えており、野球場やサッカースタジアムといった広大なエリア全体をカバーすることを目的として設計されている。

Geo Central Stationのバックパネルの様子

ステーションの背面には豊富なインターフェースが搭載されている。PoE対応のポートにより、LANケーブル経由で他のアンテナへ電源供給しながら接続できる。また、標準の4ワイヤーおよび2ワイヤーの端子を備え、Clear-ComやBoleroなど他社製のインカムシステムとの接続も可能となっている。さらに、PGM入力機能により会場内のアナウンスなどをインカム音声にミックスしたり、Danteネットワークと連携したりすることもできる。

標準の2W/4Wインターフェースを備えており、サードパーティのインターコムシステムに直接接続できる

このステーションの大きな特徴は、ウェブブラウザ経由での詳細な設定機能である。各ベルトパックを個別に認識し、ボタンの機能割り当てや音量の入出力を遠隔で調整できる。また、ベルトパックを「カメラマン」や「ディレクター」といった役割ごとに最大100グループまで分類し、グループ単位で通話チャンネルを細かく設定することが可能である。これにより、現場の状況に応じた柔軟なコミュニケーション環境を構築できる。

将来的にはクラウドサービスも計画されており、実現すれば東京と海外の深圳といった遠隔地のチームが、インターネット経由でインカムシステムに参加できるようになる。

このステーションを備えたシステムは、2025年10月中に量産が開始され、同月下旬には日本国内での提供を目指している。大規模な放送やライブイベントの現場において、より高度で複雑なコミュニケーションの要求に応えるソリューションとして期待される。