Inter BEE 2025の平和精機工業/Libecブースにおいて、新製品となるカーボン・クイックロック三脚「QL40C」が初公開された。本製品は、昨年のInter BEEで発表されたアルミ製モデル「QL40B」の基本コンセプトを継承しつつ、素材にカーボンを採用することで軽量化と機能性の向上を図ったモデルである。

最大の特徴は脚部のロック機構にあり、操作性の高いフリップロック式を採用している。一つのロックを操作するだけで脚全体の伸縮固定および解除が可能であり、現場での迅速なセッティングを実現する構造となっている。また、持ち運び用のハンドルが標準装備されているほか、アクセサリーポートも備えられており、3/8インチおよび1/4インチのネジ穴を利用してモニターやライトなどの周辺機器を拡張することができる。メンテナンス性についても配慮されており、基本的にはメンテナンスフリーでありながら、必要が生じた場合にはユーザー自身で容易に整備が行える設計となっている。

アルミモデルであるQL40Bとの比較においては、カーボン素材の特性により約500gの軽量化がなされている。また、高さの設定にも明確な違いがあり、QL40Bが最大高約180cmであるのに対し、QL40Cは約151cmに設定されている。これは制作現場の実情に合わせた仕様変更であり、最大高を抑える代わりにローアングル撮影への適応力を強化した形だ。

最低高は38.5cmまで下げることが可能で、スライダーやヘッド、カメラを積載した状態でも位置が高くなりすぎず、卓上の被写体を撮影する際などに安定したローアングルを確保できる仕様となっている。販売形態については、同社のHSシリーズ「Hヘッド」やNXシリーズ「NHヘッド」と組み合わせたシステム販売のほか、三脚単体での提供も行われる。