Cine Gear Expo Los AngelesのOvideブースでは、日本メーカーのNIPROSが共同出展を行い、光伝送システムの最新プロトタイプを公開した。

会場で実機を目の当たりにすると、同社の主力製品である「Orion」がさらに進化を遂げた次世代モデルの姿がそこにあった。その名は「Orion Pro」だ。まだ開発段階のため正式なロゴが入っていない状態だが、現場の要求を詰め込んだその仕様には期待を抱かせる。

最大の注目点は、24V供給にも対応したことだ。オプションでBマウントやGold Mount Plusに対応することで、ALEXA 35やソニーのVENICE 2といったハイエンドカメラにそのまま給電しながら運用が可能になる。これまでのOrionよりもわずかに筐体は大きくなっているが、それは現場からの切実な要望に応えた結果だという。さらに、リターン映像を2チャンネル分確保するアップデートも進行中で、利便性は確実に向上する。

NIPROSのラインナップを整理すると、多機能な「Polaris」、軽量な「Vega」、そしてPTZカメラ向けの「Sirius」などがあるが、この「Orion Pro」は機能性と機動性のバランスを突いた位置づけとなる。Polarisほどのコネクタ数やイーサネットポートは備えていないものの、ベースモデルのOrionでは足りなかったパワーを補い、よりプロフェッショナルな現場に即した進化を遂げている。

ブースでは、現行のOrionをRED KOMODO Xに装着したデモが行われていた。SDIでの映像伝送はもちろん、光ファイバー1本でカメラのコントロールからレンズ操作まで完結するシステムだ。

海外で普及しているC-motionのユニットを使用し、アイリスやフォーカスを光経由で操作する様子は非常に合理的である。Orion Proではさらにこれを進化させ、アダプターなしでL-BUSケーブルを直接接続できるような構想も進んでいると説明した。

現場の声を即座に反映し、具体的な形に落とし込んでいくスピード感には目を見張るものがある。まだプロトタイプの段階ではあるが、ALEXA 35やVENICE 2を光伝送システムに組み込みたいと考えているユーザーにとって、Orion Proは有力な選択肢となりそうだ。洗練された配線と強力な電源供給能力を備えたこのシステムが、今後の撮影現場をどのように変えていくのか、その動向を注視したい。