撮影用リグや三脚等で定評のあるSmallRigだが、これまでに120Wや220WのLEDライトは販売していたが、どちらも電源は外部からの給電が必要で大型のため、外に持ち出して使おうという考えにはなかなかいたらないものだった。今回紹介するRC60B COB LED(以下:RC60B)は、小型で軽量な上、バッテリーが内蔵されている。60Wのハイパワーで高演色のRC60Bと、組み合わせて使ってもらいたいアイテムを紹介していこう。
今回レビューする商品の価格は以下の通り。
- RC60B COB LEDビデオライト:税込30,990円
- RC60B用RA-D30ミニパラボリックソフトボックス:税込6,090円
- RC60B用シリコンディフューザー:税込2,090円
- Bowensマウントアダプター:税込3,590円
- LA-O90オクタ型ソフトボックス:税込12,990円
コンパクトでハイパワー高性能LEDライト
スチルやビデオでの撮影用ライトのLED化が進む中、定常光で使用する大型のライトやアクセント的に使う小型のライトは数多く出回ってきた。一方で、バッテリー内蔵で携帯性の良い中型のハイパワーLEDライトはまだ数が出そろっていない。そんな中、SmallRigから昨年、RC60Bが発売された。RC60Bは本体の外寸は115m×85m×85mで650g、付属のリフレクターを付けても全長が187mになる程度で携帯性にも優れている。バッテリーも内蔵されていて、バッテリー接続の手間なども考える必要なく、取り出して直ぐに使えるのもうれしい。
機能的には、普通のライトとしての出力と色温度の調整、炎や壊れた電球等9種類の特殊効果が選択できる。出力も色温度もダイヤルで調整でき、出力は0%から100%まで1%刻みで、色温度は2,700Kから6,500Kまで100K刻みでコントロールできる。特殊効果の方の説明は割愛させてもらうが、小型で軽く高性能という製品はやはり魅力的だ。
PD給電に対応、付属品とオプション品で目的に合ったスタイルで使える
収納されているケースもやはりコンパクトだが、付属品がいくつも同梱されている。
まず一番に目に入るのはリフレクターだろう。RC60Bのマウントは小型のボーエンズマウントといった感じで、大きさが違うために互換性はない。リフレクターの大きさ自体もコンパクトに作られており湯呑サイズといった感じだ。
次にライトスタンドに設置するためのキャリングバックだ。RC60Bとの固定は1/4ネジで、両サイドにぐらつき防止用の突起があり固定しやすくなっている。もちろんアンブレラを設置できるようになっているので重宝しそうだ。
グリップハンドルはSmallRigも手持ちでの使用を前提として考えている証拠だろう。このグリップハンドルはやや太めに作られていて、しっかり握って持つことができ、リフレクターを付けた状態で約800gで片手でも余裕で扱える重さである。
そしてモバイルバッテリーフォルダーが秀逸だ。RC60Bの内蔵バッテリーはフル充電状態で45分ほどフルパワーで使用できる。でもそれでは心もとないし、仕事で使うとなれば話は変わってくる。そこでPD給電だ。新しいカメラではPD給電に対応しているものも増えてきているので、カメラとライト双方共に給電できれば荷物も減る。PD給電に対応したバッテリーの容量にもよるが45分を超えて使用できるわけだ。
ここからはオプションの製品を紹介していく。まずはシリコン製のディフューザーだ。付属のリフレクターに装着して使用する。使用感はかなり光量が減衰され、アンバー側に転ぶため調整が必要になるだろう。
ミニパラボラソフトボックス RA-D30はRC60Bのマウントと同じマウントが採用されている、RC60B専用のソフトボックスと言ってよい製品だ。SmallRigのクイックリリースデザインが採用されており、組み立ても一瞬だ。上記のディフューザーよりも減衰量は少なく、色温度の変化も感じられない。直径が約30cmなのでソフトボックスとしては小さめではあるが、顔だけ等ピンポイントに使いたい時には逆に重宝するだろう。軽量で使いやすいのでロケなどには必ず持っていきたくなる一品となるだろう。
そして上記でも述べたが、RC60B単体ではボーエンズマウントを使用したリフレクターやソフトボックスを使用することはできない。だがそこはSmallRigだ。もちろんボーエンズマウントを使用するためのアダプターも用意されている。
ボーエンズマウントが使えればRC60Bでも大きなソフトボックスが使用できる。今回はSmallRigのLA-O90も紹介しよう。こちらのLA-O90もクイックリリースデザインが採用されており、一瞬でオクタのソフトボックスを組み立てられ、インナーディフューザーとアウターディフューザーを装着してすぐに使用できる。RC60Bにはいささか大きいように思えるが、そこは60Wのパワーがあるのでメインライトでなくてもフィルライトとしては十分に使用できるものだろう。
RC60Bを持っていれば撮影したい所でいつでも撮影できる
ビデオのロケ撮影等で昔、目にしていたバッテリーライト。そのライトくらいの大きさでバッテリーも内蔵、RC60Bを持っていればどこでも撮影を開始できる。コンパクトで軽量、少人数でのロケなどにはとても重宝することだろう。
ミラーレス一眼等であれば軽く手振れ補正も強力で、一眼レフの時のように左手をカメラに添えず撮影する人も増えている。そんなことを考えると、右手にカメラ左手にRC60Bを持って夜の街角で撮影をしている、そんなカメラマンとモデルを目にすることも増えるのではないかと想像できる一品だ。
小山田有作|プロフィール
you-artsの屋号で映像の仕事を始めて20年。企業PVやセミナービデオなどを中心に、ディレクションから撮影、編集に2DCGの作成などを行っている。スチルの撮影もこなし、現在はYouTubeの番組制作も携わっている。