txt・構成:編集部

スタンドアロンでもワイヤレスでも濃度の調整が可能な「LCND」

パナビジョンは、レンズ、カメラ、フィルターから制作ワークフロー、ポストプロダクションワークフローまで、さまざまな統合技術やシステムを展示した。

目玉は、電子NDフィルター「LCND」だ。これまで露光は、アイリスを使って調整することが多かったが、アイリスを制御してしまうと被写界深度がずれてしまう。そこで、フィルターを使って露光を調整する形でLCNDを紹介している。

光量を絞らない状態

光量をもっとも絞った状態

アナログのフィルターワークだが、くるくると露光を微調できるのが面白い

昨年のパナビジョンブースレポートでもLCNDを紹介したが、その時はプロトタイプに過ぎなかった。今年はハウジングに入れて充電や電源が入り、通信もできるような形で展示されていた。LCNDは、外側のボタンで6ストップのNDが可能で、ステップ間も微調することが可能。例えば、3ストップから4ストップ間をダイヤルで微調することが可能だ。

また、新しくシリアル通信でプレストンの信号を受けることが可能になり、リモートでNDを制御することができるようになった。例えば、クレーンの先にカメラとフィルターを付けて、フィルターの設定を遠隔操作で制御することも可能。

色の転びが気になるところだが、ポラライザーを使ったNDではないので特有の変色は起こらないという。LCNDは近日中にレンタルが開始される予定。

プレストンのハンドコントロールを使ってワイヤレス制御が可能。写真はPreston Cinema Systemsの「Focus/Iris」

イメージングチェーンを通じてHDRコンテンツを視聴する新システム「LINK HDR」

HDRをオンセットで観ることができるワークフローソリューション「LINK HDR」も大々的に展示されていた。LINK HDRは、制作や制作後のプロセス全体を通してHDRの確認という課題に対処するために開発されたものだという。

LINK HDRを展示

さまざまなモニタリング設定を装備したPanavision LINK HDRオンセットカートのデモ

HDRとSDRの成果物を同時に作成するLight Iron LINK HDRデイリーのデモ

DXL2がさまざまな機能強化を実現

DXL2に業界標準と言われるComtekトランスミッタのワイヤレスオーディオが追加され、音声を同時録音できるようになった。これまで、DXL2レベルのシネマカメラで、ワイヤレスで録音をするというのは存在しなかった。ワイヤレスオーディオ入力機能の搭載によって、音声のシンクがしやすくなるとのことだ。

ボディ中央のアンテナがワイヤレスオーディオユニット

もう1つは、レンズマッピングをサポートするC-Motion FIZモジュール。C-Motionと共同で作ったモジュールで、WCU4ワイヤレスレンズコントロールハンドセットと通信可能。

ボディ前方に搭載されているのがC-Motion FIZモジュール

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Vol.09 [Digital Cinema Bülow VIII] Vol.11