txt・構成:編集部
話題のラージフォーマットミラーレスカメラとシネマカメラ用ズームレンズ「Premista」との組み合わせがユニーク
富士フイルムブースの注目は、NABで発表されたラージフォーマットセンサーに対応するシネマカメラ用ズームレンズ「Premista28-100mmT2.9」の展示だ。焦点距離28-100mmをカバーする標準ズームレンズで、対応イメージサイズは、46.3mm、全域でT2.9の明るさを実現し、かつ小型軽量を実現しているのも特徴だ。
ラージフォーマットセンサー対応のシネマカメラ用レンズ「Premista」。左が現在開発中で2019年中に発売予定の「FUJINON Prermista80-250mmT2.9-3.5」。右が2019年8月に発売予定の「FUJINON Premista28-100mmT2.9」その中でも対角55mmのラージフォーマットミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX100」と組み合わせた展示が目を引いた。GFX100は、一億画素撮影が可能なスチル撮影は有名だが、動画撮影もHDMI経由では4K30P 4:2:2 10bit、SDカードへの記録には最大400Mbpsで4K30P 4:2:0 10bitの出力が可能で、素晴らしい機能を持っている。アスペクト比によって上下はカットされるが、それでも幅44mmを使って4K30Pの画が撮れるのは魅力だ。
気になるは、大型のイメージセンサーを持つGFX100をPremistaはカバーできるかだ。Premistaが公称するイメージサイズは46.3mm。実際にはもうちょっと大きめをカバーできるというが、それでもPremistaのイメージサイズが少し小さい。GFX100の17:9画角で撮るとぎりぎりカバーできるが、ワイド端では絞りを11にするとケラレが見えてしまうという。ただし、事前に焦点距離を決めて、ケラレないことを確認したうえならば、ほぼ問題なく使えるのではないかとのことだ。
PremistaとGFX100は夢のような組み合わせだ
ちなみに、PLマウントはフランジバックは52mmで、GFXのフランジバック26.7mmよりも長い。そこで、PremistaのレンズとGFX100のボディの間にアダプターを導入することで、Premistaを使えるようにしている。ブースの展示機は、スイスのカメラメーカーAPLPAが開発したGFX 100専用のアクセサリー「ALPA XO」のマウントアダプターを使用。こちらもCine Gearでプロトタイプを初公開したばかりで、アルミニウム削りだしで作られたケージ、モジュラーチタンロッド(15mm)、トップハンドル、ステンレス製のシム対応のPLマウントで構成されている注目製品だ。
しかし、この組み合わせの価格は、GFX100は約120万円でPremistaは430万円。冷静に考えてみると、カメラとレンズの値段のギャップが激しい。GFX100とPremistaを積極的に組み合わせて撮る方がいるかというと疑問の残る組み合わせだが、興味の引くソリューションであることは間違いない。
ケージ、モジュラーチタンロッド、トップハンドル、PLマウントのGFX100用アクセサリー「ALPA XO」も展示の見どころになっていた
映画「トップガン2:マーべリック/Top Gun : Maverick」の撮影監督を務めるクラウディオ・ミランダ氏も富士フイルムブースでPremistaとGFX100の組み合わせを興味深そうに見ていた
PremistaとソニーVeniceの組み合わせ。もっとも定番的な組み合わせといえるだろう
デジタルカメラ「Xシリーズ」FUJIFILM X-T3とMKX18-55mmT2.9を展示。Tiltaのワイヤレスレンズ制御システム「Nucleus-Nano」と組み合わせて展示が行われていた
ブースでは「Check&Clean」と呼ばれるクイックメンテナンスサービスも行われていた
46倍のレンズと組み合わせたヘリコプターの空撮撮影向けアプリケーションを展示
テレビ放送用のレンズとVARICAMを組み合わせた展示も興味深かった。エクスパンダーを使って2/3インチのレンズ「UA46×9.5BERD」をスーパー35のカメラ「VARICAM LT」に取り付けて展示が行われていた。アダプターは、武蔵オプティカルのB4マウントレンズを大判センサー搭載カメラに装着するための「4K beyond OptMag plus」。46倍のレンズと組み合わせは、ヘリコプターなどの空撮撮影を実現するアプリケーションとして使われるという。このような特殊な組み合わせもCine Gearならではの展示だ。
46倍との組み合わせはヘリコプターの空撮に最適
txt・構成:編集部