txt・構成:編集部

オンセットやスタジオ向けのHDRシネマモニターレコーダーが登場

ATOMOSは、Cine GearでHDRシネマモニター/レコーダー「NEON」を初公開した。NEONは、これまでのATOMOS製品からいろいろな面で路線を変更した製品だ。

これまでのATOMOS製品は、一眼のデジタルカメラと組み合わせて使用する個人や、小規模の映像製作者向けのポータブルレコーダーが中心だった。しかしNEONは、17、24、31、55インチの4つのスクリーンサイズをラインナップするポストプロダクション向けのモニターだ。

ラップトップ用のオンセット用のリファレンスモニターに向いた17インチの1920×1080や、DITに最適な24インチと31インチの4096×2160、クライアントやショールーム、カラーグレーダーに最適な55インチの3840×2160の4つのサイズをラインナップ。HDRをサポートし、10ビットDCI P3規格を100%カバーし、1,000,000:1のコントラスト比を特徴としている。

プロダクション向けのモニター「NEON」を展示

17インチモデル。10ビットパネルを持ち、ドルビービジョンをサポートする

これまでのATOMOS製品の中では、2,495ドルのSUMO19がもっとも高価な製品だった。NEONは17インチモデルで3,999ドル、24インチが6,499ドル、31インチが7,999ドル、55インチが16,999ドルと、これまでとは別の価格帯のハイエンド市場を狙った商品群と言えるだろう。

NINJA(忍者)やSUMO(相撲)、SHOGUN(将軍)といった和風の製品名から、「NEON」というシンプルな名称への路線変更も気になるところだ。そこで、会場にいたCEOのJeromy Young氏にNEONについて話を聞いてみた。

NEONの背面の様子。NINJA Vらしきものが搭載されている

IPO後、ブランディングに変化が。新製品NEONのディスプレーは日本製を採用

ATOMOSのCEO Jeromy Young氏

気になるのは、NEONという製品名。ATOMOSと言えば、日本にちなんだネーミングを製品名に冠するのがお約束のはず。さらに展示ブースもこれまでの侍と忍者殺陣デモンストレーションモチーフはなかった。いったい何があったのだろうか?

――NEONは、これまでのATOMOS製品とブランディングが異なっています。これまでの日本固有の名称ではなくなりましたが、何か理由があるのでしょうか?

そうですね。製品名が、NINJA(忍者)やSHOGUN(将軍)ではななく、英語名になりました。ATOMOSは2018年12月に株式の店頭公開(IPO)をオーストラリアで行い上場企業となりました。ATOMOSは社員も増えており、会社も大きくなっています。新しい投資家や役員が加入したことにも理由があります。様々な意見が出てくる中で今回のNEONという商品の紹介となりました。

僕の心は日本にありますが、ATOMOS自体はオーストラリアの会社です。だから、ちょっとだけブランディングを変更しました。NEONという名称は、英語ですが、今後日本語名の商品がなくなるわけではないですよ。つまりこれまでのジェロミーラインも残る予定です。我々ATOMOSも大きくなり多様性が増えたといえます。

――NEONは、いいブランディングだと思いました。NEONのパネルは日本製でしょうか?

日本製です。なので、ディスプレイでクオリティは高いです。

――ATOMOSは、アップルと共同で、ProRes RAWの開発を進めてきていますが、最近の動向はいかがでしょうか?

NABでFilmlight、Assimilate、Colorfront、Telestream、MTI Film、グラスバレーがProRes RAWをサポートすることが発表されました。1年後は、もっと増えていると思います。

ひょっとしたら、IBCで発表ができるかもしれません。そうしたら、もう一回インタビューやりましょう!

txt・構成:編集部


Vol.13 [Digital Cinema Bülow VIII] Vol.15