txt・構成:編集部
美しい肌の色調と滑らかなボケ味を実現したPLプライムレンズ「Sumire Prime」
キヤノンは、NABで発表したSumire Primeをメインに展示していた。Sumire Primeを開発するうえでのキヤノンの試みとしては、「フレアが発生しない」などのエンジニアリングとして完璧なレンズとは方向製が異なる、個性をもったレンズを目指したという。
業界では、ビンテージレンズを求める声も多く、キヤノン製のプライムレンズであれば米国映画アカデミー科学技術部門賞受賞した35mm映画用レンズ「K-35」シリーズを復活する声も根強い。Sumire Primeはビンテージレンズの復活を実現したプライムレンズではなく、最新の技術を使って暖かみのある肌色を再現した映像描写を実現したとのことだ。
ブースではSumire Primeを一押しで展示
Sumire Primeと5.9Kフルサイズセンサーを搭載したEOS C700 FF PLを組み合わせて展示
ブース内に点光源を設置したSumire Primeの試写コーナーも用意されていた
キヤノンブーススタッフが着ていたのはSumire PrimeTシャツ。Tシャツ前面にはSumire Primeの米国発音「Soo mee ray」の文字が大きく入っているのが面白い
フォーカス、アイリス、ズームを制御する新型ワイヤレスシステム「Heden Ymer-3」を展示
Hedénは、Cine Gearで新しいワイヤレスFIZシステム「Heden Ymer-3」を展示した。これまでは一軸対応だったが、Heden Ymer-3はフォーカス、アイリス、ズームに対応。Ymer-3を実際に触ってみると、動きがやっぱりいい。Heden Ymer-3でも、遅延のない直感的な操作を継承している。
フォーカス、アイリス、ズーム用のワイヤレスコントロールシステム「HedénYmer-3」
HEDEN YMER-3用レシーバー
武蔵オプティカル設計の初のシネズームレンズを展示-Duclos Lenses
面白かったのは、レンズ修理のデモンストレーションだ。Duclos Lensesといえば技術の高さで有名だが、治具まで使ってテクニックを公開している様子は必見だった。
ブース内でレンズ修理のデモンストレーションを公開
Duclos Lensesオリジナルのレンズ用のアクセサリーの展示も行われていた。例えば、PLエクステンションチューブは、PLマウントレンズでマクロ撮影を可能にするもので、15mmと20mm、35mmの3種類をラインナップしている。
マクロ撮影を可能にする「PLエクステンションチューブ」
ブースの展示でもっとも目を引いたのは、「Takumi 23.9-195mm T2.9」の展示だ。日本の光学メーカー、武蔵オプティカルシステムによって開発製造された初のシネマレンズで、Super 35をカバーし、PLマウント対応。
23.9-195mmという焦点距離の幅の広さが特徴で、ズーム1本である程度の使用範囲をカバーできる。幅広い焦点距離全体でありながらも、T値はランピングのないT2.9を実現している。
武蔵オプティカルシステムのスタッフによると、交換レンズはお客様のカスタム対応で作ったことはあるが、製品としてズームレンズを実現したのは初めだという。今後、市場の調査をして、武蔵オプティカルシステム独自の特徴を生み出し、レンズの開発に力を入れていく予定だという。
武蔵オプティカルシステムのTakumi 23.9-195mm T2.9
約10倍に迫る焦点距離を実現しながら、T値は全域で2.9を実現しているところも注目だ
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