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ソニーブースは、「Creativity Connected ともに“つなぐ”コンテンツ制作の未来へ」のテーマのもと、クラウドとオンプレミスをハイブリッドに活用することで効率的なライブ制作を実現する「Networked Live(ネットワークド ライブ)」、クラウド制作プラットフォーム「Creators‘ Cloud(クリエイターズ クラウド)」を活用した最新のソリューションに加え、新たなCineAltaカメラ『BURANO(ブラーノ)』や、リモートプロダクションユニット『CBK-RPU7』、ソフトウェアスイッチャー『M2L-X』など、国内初展示を含む多数の新商品を展示。
また、新商品Crystal LED VERONA(クリスタル エルイーディー ベローナ)も国内初展示となり、バーチャルプロダクションのデモが実施される。 なお、ソニーブース内セミナーステージでは、多彩な講師陣によるスペシャルセミナーが開催される。
オンプレミスクラウド・ライブプロダクション「Networked Live」
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オンプレミス・クラウドのハイブリッド運用、メディア伝送、ネットワークとリソースの統合管理を3つの軸とし、人員、場所、時間などの限られたリソースを有効活用し、新たなライブプロダクションを提案している。
メディア伝送
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LANを使ったST2110での伝送に加え、WAN、5Gなどの汎用回線を通して、映像、音声、その他のデータをオンプレミスまたはクラウドに高速、効率的、確実かつ安全に伝送するために、HEVC処理を行う独自のチップを開発。 この独自チップを搭載したメディア・エッジプロセッサー「NXL-ME80」、リモートプロダクションユニット「CBK-RPU7」は、高画質・低遅延・低ビットレートを両立させた伝送を可能に。
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オンプレミス・クラウドのハイブリッド運用
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さまざまなストリーミングフォーマットと多数のレイヤーを扱うことができるソフトウェアベーススイッチャー「M2L-X」とスタッカブル構造により機器の構成を柔軟に変更ができるライブプロダクションスイッチャー「MLS-X1」を組み合わせることで、制作ニーズに応じてハードウェア/ソフトウェア、オンプレミス/クラウドを選択または組み合わせできる柔軟なソリューションを提供。
ネットワークとリソースの統合管理
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Nevionソリューションであるメディアオーケストレーションプラットフォーム「VideoIPath」はネットワークのSDN制御とブロードキャストコントローラー機能を搭載し、設備間でのリソースの共有を容易に実現。さらにカメラコントロールネットワークアダプター「CNA-2」には複数拠点のシステムカメラ設備を統合管理するフェデレーション機能を搭載し、複数設備・リモート先まで統合したカメラの管理や操作を可能にする。
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クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」
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クラウド上での効率的なコンテンツ制作・共有・配信を実現するクラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」を活用した、映像制作における最新の制作ワークフローを、報道やスポーツの番組制作、リモート編集、コンテンツ管理などの利用シーンに沿って紹介。
また、AWSブース内にもCi Media Cloudの展示コーナーが設置されている。
報道・取材 & 素材伝送ワークフロー
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「報道・取材 & 素材伝送ワークフロー」コーナーでは、クラウドカメラポータル「C3 Portal」を核としたカメラからの効率的な素材転送、Media Backbone Newsや他社報道システムを含むオンプレミスのシステムとの連携を実現する「C3 Portal GW」、代表取材の素材分配などで利用できるクラウドストレージ「Ci Media Cloud」を組み合わせて、次世代の報道ファイルベースシステムを展示。
スポーツAI自動編集コーナー
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スポーツAI自動編集コーナーにおいて展示されている「M2 Live」は、新たにリリースされたV1.2でスポーツ配信分野で要望のあったISO収録やスローリプレイ機能に対応。 さらに、「Callsign」は、スマホで簡単に連絡線を構築でき、複数拠点を繋ぐクラウド中継や配信の際に活用できるサービス。
また、「A2 Production」は、カスタム無しで気軽に開始できるV1.2をリリースし、アップロードされた映像ファイルから盛り上がり区間を抽出し、自動でクリッピングが可能。トライアルアカウントも発行可能。
番組制作・リモート編集コーナー
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番組制作業界においてデジタルトランスフォーメーション(DX)とクラウドの利用が推進される中、「Ci Media Cloud」は、素材管理と制作プロセスの効率化を図るサービスで、ファイルリクエスト、ビデオレビュー、ラフカット、メディアボックスといったコラボレーション機能を提供。
「A2 Production カスタマイズソリューション」は、ソニーのSaaSを基盤としたクラウド編集環境を備え、GUIを介したAI処理により、音源分離、自動段積み(LineSync)、盛り上がり検出、音声認識を活用し、編集前の作業の簡素化と、従来は再利用されてこなかった素材の活用を促進。
クラウドコンテンツ管理コーナー
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放送局、CATV、プロダクション、広告主、大学、病院などを対象に、Ci TransferとCiのアーカイブ機能に関する展示が行われている。Ci TransferはCi専用のファイル転送ツールであり、大量のデータをアップロードやダウンロードする際に利用される。このツールは、特に大規模なデータの移動を頻繁に行う組織にとって非常に有効である。
加えて、Ciにはアーカイブ機能が搭載されており、コスト効率の良いストレージを使用しながらデータを安全に保存することが可能である。この「アーカイブ/リストア」処理を通じて、Proxy映像やサムネイル画像はそのまま利用可能であり、ユーザーは必要に応じて簡単にデータを管理・アクセスすることができる。
CineAltaカメラ 「BURANO」
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CineAltaの新製品カメラ「BURANO」は、8.6Kフルフレームセンサーを搭載し、特に「VENICE 2には手が届かないが高品質な映像を求める」ユーザー向けに設計されており、高品質な映像制作を可能にする。
また世界初となる、PLマウント装着時でも使用できる手ブレ補正機能と電子可変式NDフィルターの2つを1つのシネマカメラに内蔵し、X-OCN LT / XAVCに加えて8Kビデオコーデック XAVC Hの内部収録が可能になる。
さらに、筐体は「VENICE 2」と比較して小型・軽量化を実現している。
シネマカメラとしての機能はもちろんのこと、少人数撮影にも適した「BURANO」は機動力を最大化・「BURANO」の機能を最大限発揮するEマウント装着の「ワンオペスタイル」とPLレンズ装着でより高品質な映像を追求した「シネマスタイル」の2通りを展示する。
ワンオペスタイル
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「VCT-FSA5」(既製ショルダーパッド)、「GP-VR100」(新グリップリモコン)
「VCT-FSA5」(既製ショルダーパッド)と「GP-VR100」(新グリップリモコン)は、「PMW-F55」や「VENICE」で使用可能だった既製のショルダーパッドと新商品のグリップリモコンを装着している。このグリップリモコンは、「FX6」などでの使用経験に基づいたユーザビリティを維持しつつ、ネジを緩めずにアームの角度調整が可能な新機能を追加している。
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Eマウントレンズを装着し、「BURANO」の機能を最大限活用
Eマウントレンズを装着した「BURANO」は、ファストハイブリッドAFの使用が可能であり、レンズの手ブレ補正機能と組み合わせて、”Activeモード”の手ブレ補正も利用できる。これにより、少人数やワンオペレーションに適した多様な機能をフルに活用することができる。
小型・軽量化した筐体
「VENICE 2」と比較して33%の軽量化(筐体重量 2.9 kg)を実現し、サイズも一回り小さくなった。Eマウントレンズは軽量で、アダプタ未装着のため、全体的に軽量であり、機動力に優れた撮影スタイルを実現している。
シネマスタイル
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PLマウントレンズ装着でより高品質な映像表現
「VENICE 2」の8Kモデルと同サイズ、解像度の8.6Kフルフレームセンサーを搭載している。16ストップの広いダイナミックレンジと「VENICE 2」と同様の広い色域を持ち、X-OCN LTの内部収録が可能である。これらの特長により、「VENICE 2」に非常に近しい映像制作が実現可能である。
8Kビデオコーデック XAVC H
X-OCN LTに加え、8KビデオコーデックであるXAVC Hが新たに導入された。使い慣れたXAVCコーデックの特長を維持しつつ、8K収録という高品質な映像制作に対応している。
4つの新LUT
従来のs709、709 (800) に加え、新たにWarm、Cool、Vintage、Teal & Orange の4種類のLUTが追加された。
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Warm
心和む柔らかな雰囲気の演出を狙ったLook。温かい光に照らされた被写体の色の濃淡がリッチに描き出される。人物の肌を血色良く健康的に見せる効果も得られる。
Cool
「陰の冷たさ」の視覚化によるクール感の演出を狙ったLook。
Vintage
眼前のシーンを昔に撮られた古い映像のように見せる用途を意識したLook。
Teal & Orange
同名のフィルムLookを現代のデジタルカメラ向けにデフォルメしたLook。人物に強くフォーカスした映像を撮るという特別なアプリケーションに向いている。
PLマウントレンズ装着時における手ブレ補正機能
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PLマウント標準搭載したカメラとして世界で初めて手ブレ補正機能を搭載。ドリー三脚を用いた展示により、この手ブレ補正機能を体験することが可能である。
バーチャルプロダクションコーナー
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深い黒の映像表現と低反射性能の二つを同時に実現するCrystal LED VERONAに、デジタルシネマカメラ『VENICE 2』および「Virtual Production Tool Set(バーチャルプロダクションツールセット)」を組み合わせ、仮想空間と現実を自然に融合させるバーチャルプロダクションによる映像制作を展示。
バーチャルプロダクション・ステージ
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バーチャルプロダクションに関する取り組みや新製品、ソリューションのプレゼンテーションとデモンストレーションを行っている。
VERONAデモでは、背景CGとリアルセットが自然に融合した映像制作の実演が行われている。Virtual Production Tool Setデモでは、Onsetでのモアレアラートの実演が展示されている。さらに、バーチャルプロダクション制作事例と運用メリットの紹介として、ソニーPCLによる制作実績が紹介されている。
Virtual Production Tool set
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バーチャルプロダクション制作における2つの課題
①プリビスと撮影本番で色味が合わない
②撮影本番でモアレが出てしまう
以上を解決するソリューションとしてVirtual Production Tool SetをInter BEE 2023で初展示。
Virtual Production Tool Set
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Camera and Display Plugin
バーチャルVENICE等を実現するUnreal Engine用プラグイン。撮影に入る前にルックとカメラ設定を自由にデザインすることが可能である。
Color Caribrator
バーチャルプロダクションで高い色再現性を実現する補正LUT生成ソフトウエア。バーチャルプロダクションの色を撮影開始前にキャリブレーションでき、撮影の効率を向上させる。ポストプロダクションの作業負担を軽減することができる。
「Crystal LED VERONA」 画質・メカ構造説明
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新製品「Crystal LED VERONA」の画質とメカニカル構造に関する展示が行われている。VERONA Brompton対応モデル(1.5mmピッチ)が3×3の9キャビネットで展示され、映像を用いて黒の再現性の高さが体感できる。
また、メカニカル構造の説明のために、1キャビネットのモックアップが展示されている。ここではモジュールの交換方法やモジュール保護機構などについて詳しく説明されている。
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