![プロデューサー/制作:小原 章史 株式会社電通クリエイティブピクチャーズ [映像人ファイル2025]](https://jp.static.pronews.com/pronewscore/wp-content/uploads/2025/03/eizohumanfiles2025_DENTSU_kohara.jpg)
小原章史:プロデューサー
株式会社電通クリエイティブピクチャーズ
法政大学を卒業後、2009年ピクトに入社。プロダクションマネージャーとして主に車メーカーを担当。2015年にプロデューサーデビュー。
その後、2022年にYSFとの合併で、電通クリエーティブキューブへと社名を変え、さらに2025年に電通クリエーティブクロスと合併し、電通クリエイティブピクチャーズ所属となる。
――現在メインとなる業種を教えてください
TVCMがメインのジャンルになります。
――映像業界を目指した理由や経緯を教えてください
学生時代はファッションに興味があり、ファッションショーの演出のアルバイトをしていました。ショーも映像と同じく、長い時間をかけ準備するのですが見てもらえる人数が圧倒的に少なく、そこに引っかかるものがありました。
そんな時に頭に浮かんだのは海外のCM特集で見た、ソニーBRAVIAのCMでした。映像美とラストのコピーで商品に落とす切れ味。それが全世界の人々に見てもらえるスケール感に感銘を受けてこの業界を目指しました。
――映像制作に関する知識はどうやって身に着けましたか?
若い頃は、日々の業務で進行の知識を肌で勉強しました。また、監督のリールを業務の隙間時間に浴びるように見ることで感性を磨いたと思っています。
近年は、撮影関係のInstagramアカウントにもメイキングが上がっているので、そういうものを見て想像力を養っています。
――映像業界で働くことの面白さや魅力、逆に苦労することを教えてください
面白さ・魅力:16年もこの仕事が続けられているということは面白さや魅力がたくさん詰まってる仕事なんだと思います。
一例ですが、好きな監督やカメラマンと一緒に仕事ができるのは魅力ですし、こっちの思い描いた通りにクセのあるスタッフを誘導して撮影までこぎつけられた時はガッツポーズをしたくなるほど快感でした。みんなと協力してものづくりができるのも毎日が文化祭のようで面白いです。
まとめっぽくいうと、自分の中の快感や幸福ポイントをどれだけ持っていられるかが仕事を続ける上で非常に大事なんだと思います。
苦労する点:この業界に限らず、変化を恐れると苦労すると思います。
それは扱うツールやソフトを覚えないと苦労するという狭義な意味での変化ではなく、自分のあり様を変化できないと苦労するということです。まずはその業界、会社、チームにまみれていってもらいたいです。きっと新たな自分が見つけられて楽しいと思いますよ。
――ご自身の業務に欠かせない、またはよく使う機材や愛用品などを教えてください
大切にしている愛用品は、レザーのコンテフォルダです。
先輩から譲り受けた一品で、撮影時の香盤冊子(撮影で大事な資料)を入れておく鞄のようなものです。
入社したばかりの頃は香盤冊子を裸で持ち歩いて現場を奔走しており、撮影が終わる頃にはボロボロになってました。それを見た監督が「香盤を大切に扱ってあげなさい」とアドバイスをくれたんです。それが小骨のように引っかかっていたので、これを受け取った時は本当に嬉しかったんですよね。香盤だけでなくいろいろな事柄に丁寧に向き合う大切さを思い出す、お守りのようなものです。
――映像制作の中で注目しているジャンルとその理由を教えて下さい
AI技術
数年に一回業界の様子がガラッと変わる出来事が起きます。デジタルカメラが出てフィルムカメラのシェアが縮小する。コロナを経てリモートでの打ち合わせが主になる。そんなレベルの変革がAIの出現で起き出してると感じてます。
過去の担当作品例:
PM時代はトヨタ自動車のAQUAが代表作です。
近年の代表作は、明治(ホールディングス)の企業CMになります。カカオだけでなく、それを取り巻く人々・環境にも配慮している企業姿勢をガーナまで赴いて切り取り、伝統あるナショナルクライアントの新たな面を映し出しました。

